世帯年収1000万円家庭の実情と構造的な問題を解説写真はイメージです Photo:PIXTA

世帯年収1000万円と聞くと、多くの人が「裕福な家庭」を思い浮かべるかもしれない。しかし実際には、思ったほどお金が残らないと感じているケースも少なくない。富裕層家庭の支出や意思決定を見てきた森田貴子氏が、世帯年収1000万円家庭の実情と構造的な問題を解説する。※本稿は、税理士の森田貴子『世帯年収1000万円超の人が知っておきたいお金のルール 資産増、年収増、余裕増』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。

世帯年収1000万円の到達は
うれしいことばかりではない

「それなりに稼げている」はずなのに、思ったよりもお金が残らない。

 家計は赤字ではないけれど、将来の蓄えや好きなことにも思うようにお金を使えない。

 周囲からは「十分恵まれている」「勝ち組」と見られながら、自分たちはどこか満たされない日常を送っている。

 そんな違和感を抱える世帯が、いまの年収1000万円世帯のリアルです。

 世帯年収1000万円の家庭は、税金と社会保険料だけで手取りが目減りしていくゾーンに入ります。ちょうど所得330万円を超えるあたりから所得税率が10%から20%へと一段上がります。税金より見逃されがちな社会保険料ですが、負担率は約15~20%です。

 しかし本当に家計を圧迫するのは、生活必需コストの上昇が積み重なって効いてくることです。特に都市部では住居費、教育費(習い事・私立校・大学進学)は右肩上がり。さらに食費・外食費・交際費など身近な支出までインフレが続き、家計の余裕を奪っていきます。