通常であれば、ささいな挨拶や会話に始まり、やがて一緒に過ごす時間を増やすところから始まります。

 相手の好みを知り、少しずつ距離を縮めていくなかで「もっと一緒にいたい」という感情が自然に芽生えていきます。

 やがて信頼関係が積み重なり、ようやく「付き合う」「将来を考える」といった話につながっていくわけです。

 交渉や会議でも、同じことがいえます。いきなり要望や意見を突きつければ、相手は「押し付けられた」と感じて身構えてしまいます。

 つまり、まずは雑談や情報交換といった小さなやりとりを通して、相手の立場や価値観を知ることから始めることが重要です。

 そのなかで、価値観の調整や信頼感の構築ができれば、相手も自然に心を開き、こちらの話に耳を傾けてくれるようになります。

 これが「認知的対立の解消」です。

 結局のところ、人と打ち解けたり、何かをお願いするには、理屈を押し付けるのではなく、関係を育てることが重要です。

 信頼や安心感の土台があってこそ、条件の調整を受け入れてもらえます。

 押し付ければ跳ね返る……。でも歩み寄れば開けるのです。

 だからこそ、京都人は「感情的対立」や「認知的対立」を避け、「たてまえ」で小さな信頼と共感を段階的に積み上げるという手順を大切にしているわけです。