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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
生成AIの進展で相談機能が高度化
組み込み型資産運用は当初、証券機能のAPI化によって非金融プラットフォームへ投資機能を組み込むモデルであった。その象徴的な存在が、米国のフィンテック企業DriveWealth(ドライブウェルス)である。同社はブローカー・ディーラーとしての登録を受けており、併せて株式売買や口座管理といったブローカー機能をインフラとして提供する。つまり、「B to B to C型」のAPIブローカーとして外部企業を支援することで、非金融企業が自社のアプリ内に証券取引機能を実装できる環境を整えてきた。
同社による組み込み型資産運用の分かりやすい事例が、スーパーアプリのGrab(グラブ)である。グラブは配車や決済、デリバリーを軸とする非金融プラットフォームだが、証券取引機能をアプリ内に統合している。ユーザーから見れば、投資はグラブの機能の一部であるが、実際の証券インフラの管理はドライブウェルスが担っている。
日本でも同様の動きは広がりつつある。いわゆるポイント投資やクレジットカード利用者向けの積立機能など、経済圏アプリの中に投資導線が組み込まれている。こうした経済圏アプリを起点として資産形成を行う利用者は数多く存在する。
組み込み型資産運用のトレンドは、二つの方向で変化してきている。第一は、生成AI(人工知能)の進展による相談機能の高度化である。連載第5回でも触れたとおり、自然言語で収支の整理やリスク許容度の推定が可能になってきているため、非金融事業者が担いにくかった相談領域への参入も視野に入る。







