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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
決済機能の提供に加え業界固有の慣習にも対応
日本の流通・小売業界には、古くから百貨店などが発行する提携クレジットカードや自社ポイントカードが根付いており、「組み込み型決済」を受容する土壌があった。この上で、コンビニエンスストアや総合スーパー、ドラッグストアといった大手リテール企業が自社アプリに独自の「Pay」機能を組み込むモデルが一般化した。
自社アプリへ決済機能を組み込む狙いは、単なる決済手段の提供にとどまらない。第一に、自社IDを基軸とした顧客データの囲い込みである。リテール企業の会員システムやPOSシステムと、決済手段を提供する外部事業者との間で分断される購買データを一元管理し、顧客理解の解像度を高め、精緻なマーケティングや商品開発につなげている。
第二に、決済手数料(加盟店手数料)の削減と自社経済圏における顧客のロイヤルティー向上だ。自社の決済機能の利用を促進して外部事業者に支払う決済手数料を削減し、それを原資にポイント還元することで、顧客のロイヤルティーと収益性を同時に高める好循環を生み出している。
第三に、ポイントカード機能の一体化によるレジでの会計時間短縮といった顧客体験の向上も挙げられる。
組み込み型決済は業界固有の決済慣習にも対応している。顧客ニーズに応じて多様化してきた商慣習や金融サービスを、自社アプリを通じた購買行動に一元化することで顧客エンゲージメントを最大化している点が特徴だ。







