親に叱られる子ども写真はイメージです Photo:PIXTA

文部科学省の最新調査で、小中高の「いじめ」認知件数が約77万件と過去最多を更新しました。「わが子がいじめ加害者になるはずがない」と信じたい親心の一方で、実は3人に1人の子どもがいじめに関与しているという衝撃のデータも。決して他人事ではないからこそ知っておきたい、加害側に回りやすい子の意外な共通点とは? 深刻な事態を未然に防ぐため、親が警戒すべき「3つのタイプ」と家庭でできる対策を解説します。(文/心理学者・立正大学客員教授 内藤誼人)

いじめの認知件数は
過去最高を更新

 子どもが安心して学校に通い、友だちとふつうに笑い合いながら、穏やかに成長してくれる――。子を育てる親にとって、それは最低限の基本的な願いではないでしょうか。

 その意味で、親の基本的な願いを脅かす学校のいじめはやはり卑劣な行為です。とくに近年は、SNSやメッセージアプリを通じて行われる「サイバーいじめ」が増え、学校の外でも関係が切れないため、被害が長期化・見えにくくなりやすいという特徴があります。親や教師の目が届きにくい場所で進行する分、気づいたときには深刻化しているケースも少なくありません。

 実際、いじめの問題は年々深刻さを増しています。文部科学省の「2024年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2025年10月29日公表)によれば、全国の小・中・高校などで認知されたいじめの件数は76万9022件にのぼり、過去最多を更新。

 さらに、心身や生命にまで重大な被害が生じる重大事態の発生件数も1404件で過去最多となっており、いじめが依然として深刻な問題であることがわかります。(出典:文部科学省「2024年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)

 いじめやサイバーいじめについては、世界中の研究をまとめた分析があります。それによると、子どものおよそ3人に1人が、いじめに関わった経験があり、5人に1人はインターネット上でのいじめにも関わっているとされています(※1)。

 さらに、医学分野の専門誌に掲載された別の調査でも、サイバーいじめについてはおよそ4人に1人が経験しているという結果が報告されています(※2)。決して一部の子どもだけの問題ではなく、多くの子どもが身近に関わる可能性のある問題だといえるでしょう。

 子どもが巻き込まれる可能性もわが子がいじめ加害者になってしまう可能性も、決して低くないのです。

 だからこそ親としては「どうすれば被害を避けやすくなるのか」を知っておきたいはずです。ただ、ここで大事なのは、特定の子どもにレッテルを貼ることではありません。誰かを「危ない子」と決めつけるためではなく、いじめが起きやすい関係やサインに早く気づくために、加害につながりやすい特徴を知っておくことが大切です。

 今回は、わが子を被害者にも加害者にもしたくないという人に向けて「いじめ加害者になりやすい子ども」のタイプを、3つご紹介します。