ラッキーに見える人がいる。何度もすごい結果を出したり、周りの人に引き立てられたり。チャンスもしょっちゅう舞い込んでいるように見える。「どうしたら自分も幸運をつかめるようになるのか?――それを教えてくれるのが書籍『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(池田貴将著)だ。本書は「他人から見た成功」ではなく、「自分だけの成功」をつかめるようになる1冊。本書の発売を記念して、エッセイストの斉藤ナミ氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「幸運が次々舞い込んでくる人」の共通点とは?Photo: Adobe Stock

「トントン拍子」ではなく、死ぬほど頑張っていただけ

ライターの知り合いに先日こう言われた。

「斉藤さんってずっとトントン拍子ですよね。ライター業界に出てきたと思ったら、すぐコンテストで優勝して、出版して、連載ももって……うらやましすぎる」

いやいや、トントン拍子なわけがない。

私がこれまでどれほど失敗してきたことか。

3年間で送った企画書は100通を超えるだろう。

誰も読まないPTAの学校だよりでも、おもちゃの説明書の校正でも、報酬が一本わずか500円の、自分の名前すら出ないようなネット記事でも、文章が書けるならなんでもやってきた。

コンテストに落ちて、数週間は立ち直れなかったことだって回数は数え切れない。

ようやく優勝できたかと思えばその出版社の担当者が消えてしまったこともある。

「チャンスは準備と挑戦の積み重ね」

私が持っているのは折れない心や特別な才能ではない。

ただ、「がむしゃらになんでも挑戦する」という誰にでもできるはずの、けれど多くの人が途中で投げ出してしまう泥臭い戦略はやってきた。 

『人生アップデート大全』の著者、池田貴将氏も、こう述べている。

「チャンスは準備と挑戦の積み重ねで生まれる。動き続ける人だけが、幸運をつかみ取る」
――『人生アップデート大全』より

バットを振らなければ絶対にボールに当たらない。いつだってどこでだって振れるように準備をしておく。チャンスは準備している人の前に、現れるのだ。

「チャンスのある場所」は「負ける可能性もある場所」

本書に書かれているように、もちろんチャンスのある場所には勝つ可能性だけではなく、負ける可能性もある。

「チャンスはどこにあるのか。
多くの人が『チャンスとはポジティブなことだけが起こる場所』にあると勘違いしています。しかし、チャンスとは『オッズ(確率)がある場所』にあるのです。
つまり、『勝つ可能性もあれば負ける可能性もある』場所にあるということ。」
――『人生アップデート大全』より

「自分なんて……」「やったことないし……」と、不安が自分に追いつく前に、えいや! と手をあげてしまう。

あとから死ぬほど後悔することもあるし、大失敗して周りに悪印象を与えてしまうこともある。

しかし、たくさんやっていると1回の失敗の「濃度」が少しずつ薄まってくる。

100回振って1回当たるのと、1回だけ振って空振るのでは、絶望の深さがまるで違うのだ。

幸運の正体は「挑戦回数の多さ」

『人生アップデート大全』には「幸運の正体は『挑戦回数の多さ』」であると書かれている。

『幸運』についての興味深い研究があります。
いわゆる“運がいい”と言われる人たちを対象にした調査です。
たとえば懸賞に何度も当たる人たちを調べてみると、ある共通点が見えてきました。
それは、単純に『応募している数が圧倒的に多い』ということだったのです。」
――『人生アップデート大全』より

人から「トントン拍子」に見える私の現在地は、実は数えきれないほどの「ボツ」と「空振り」の山の上に、辛うじて立っているだけなのだ。

1回の失敗で人生は終わらない

一回の失敗で人生が終わるわけじゃない。

そして、その失敗は次の挑戦で成功するための準備にもなる。

何度転んでも「まあ、次があるか」と笑って土を払い、また新しい打席に向かうしぶとさを自分の中に育てていけたら、人生を大幅にアップデートできるのではないだろうか。

さあ、次はどんな空振りをしようか。

私は今日も、懲りずに新しいバットを振り続けていく。

(本稿は『人生アップデート大全』に関する特別投稿です)

斉藤ナミ(さいとう・なみ)
エッセイスト
「婦人公論」「ランドリーボックス」「ねとらぼ」などのWebメディアでエッセイを執筆。noteが主催する「創作大賞2023」では幻冬舎賞を受賞。著書に『褒めてくれてもいいんですよ?』(hayaoki books)がある。