市場の短期的な動きに一喜一憂するのではなく、どの経済シナリオでも資産を守れるポートフォリオを設計することが最も重要です。特に、今回のイラン情勢のような地政学リスクは、株式や原油市場に大きなショックを与える可能性がありますが、長期的な安定は分散されたポートフォリオでこそ実現されます。

 具体的に、私が提唱している「オールウェザー(全天候)型ポートフォリオ」の考え方に沿って、資産クラスと比率、さらにはETFや債券タイプを例示しましょう。

 まず、株式は全体の30%程度を組み入れます。米国株式の大型株ETF(例えばS&P500連動のVOOやIVV)、欧州株式ETF(IEURなど)、新興国株式ETF(VWOやEEM)を地域分散して保有することで、米国リスクや単一市場リスクを軽減できます。株式は成長局面でのリターン源であり、長期的な資産増加に寄与します。

 次に、債券は全体の40%程度を割り当てます。内訳として、長期米国債(例えばTLT)、中期米国債(IEF)、そしてインフレ連動債(TIPS:TIP ETFなど)を組み合わせます。さらに、リスク分散の観点から欧州国債(IEIなどのETF)も一部組み込むとよいと思います。債券は景気後退時の防御資産であり、株式下落局面でポートフォリオ全体の安定性を確保する役割を持ちます。

 さらに、ゴールドや貴金属は7~10%程度を保有する。具体例として、SPDRゴールドシェア(GLD)やiShares Gold Trust(IAU)のようなETFが個人でも利用しやすいです。ゴールドはインフレや通貨リスクのヘッジとして、また地政学リスクが高まる局面での心理的・実質的な保険として機能します。

資産20兆円超ファンド創業者が明かす「イラン危機にも耐える」最強ポートフォリオ〈株・債券・ゴールド・現金〉の理想の比率は?Ray Dalio/1949年米ニューヨーク州生まれ。12歳から投資を始め、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得後、1975年にブリッジウォーター・アソシエイツを起業して世界最大規模のヘッジファンドに成長させた。自身の哲学を綴った『プリンシプルズ』は世界で200万部超のベストセラー Photo:Dia Dipasupil/gettyimages