ホルムズ海峡危機で世界経済はどうなる?→レイ・ダリオが想定する「最悪シナリオ」に震えが止まらない…Ray Dalio Photo:Dia Dipasupil/gettyimages

トランプ米大統領がSNSに、「自分の石油を取りに行け!」と投稿し、世界に衝撃が走った。ホルムズ海峡の事実上の封鎖によって燃料を確保できない国が増える一方で、トランプ氏はイラン作戦に非協力的な国に対して、自力で調達するよう「提案」したのだ。世界同時不況に陥るリスクが日増しに強くなる中、2008年のリーマンショックや10年のユーロ危機を予言した世界的投資家で、「米経済界のご意見番」であるレイ・ダリオ氏に、米国と中国経済の行方について話を聞いた。(国際ジャーナリスト 大野和基)

米国と中国経済の
楽観~最悪シナリオとは?

――イラン戦争によって今後、米国経済は悪化しますか? スタグフレーション(不況とインフレの同時進行)に陥る可能性はあるでしょうか?まで、米国経済にはどんなシナリオが想定されますか。

 今回の戦争は、短期的には市場に大きな動揺をもたらし、石油価格の急騰はエネルギーコストを押し上げ、企業の利益率や家庭の可処分所得に直接的な圧迫を与えています。このような状況下では、消費者物価の上昇が加速する可能性が高く、インフレ圧力が強くなることは避けられません。

 一方で、経済成長は不確実性の増大や投資マインドの悪化によって鈍化します。こうした高インフレと低成長の組み合わせは、まさにスタグフレーションの典型的な条件です。

 ただ、米国には高度に発展した金融市場、世界でのドルの支配的地位、政策対応力があるため、短期的なショックは吸収される可能性があります。考えられる楽観~最悪のシナリオを提示しましょう。