「言語化」という言葉を耳にすることが増えた。「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」のどれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、話題の書籍「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の著者・山口拓朗氏が、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。
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「これって、100点満点で何点?」と聞いてみよう
言葉がうまく出てこないとき、言語化を促すシンプルな方法があります。それは「点数をつけること」です。どんなテーマでもかまいません。100点満点で何点かを自分に問いかけてみる。それだけで言語化するために必要な思考が動き始めます。
言語化とは、頭の中にあるあいまいな感覚に輪郭を与える行為ですが、点数はそのための強力な足がかりになります。
たとえば、「今の働き方の満足度は100点満点で何点か?」と自分に問いかけてみます。
仮に、75点と答えたとしましょう。その瞬間、思考はすでに動き出しています。なぜなら、その75点という数字には必ず根拠があるからです。
人は根拠のない点数を自分につけることができません。
では、なぜ75点なのでしょうか。どうして100点ではないのか。残りの25点には、どんな要素が含まれているのか。
こうした問いを重ねていくと、自然に言葉が生まれてきます。
たとえば、「仕事内容にはやりがいを感じているが、意思決定のスピードが遅い」「収入は安定しているが、挑戦の機会がもう少しほしい」という具合です。点数の根拠を説明しようとした瞬間、人は自然と言語化を始めるのです。
この方法は、さまざまなテーマに応用できます。
たとえば、「自分の時間の使い方は100点満点で何点か?」「現在の健康状態は何点か?」「チーム内の意思疎通は何点か?」といった問いを自身に投げかけます。
仮に「時間の使い方は65点」と答えたとします。すると、「なぜ65点なのか」を考えざるを得ません。その結果、「仕事には集中できているが、読書や趣味の時間が十分に取れていない」「休日についダラダラしてしまう」といった要素が見えてきます。
漠然としていた感覚に輪郭が生まれ、思考の解像度が高まっていくのです。
言語化に行き詰まり、どうしても言葉が出てこないときは、まずはざっくりと、それに点数をつけてみましょう。点数は思考を動かすスイッチであり、言語化の第一歩でもあります。
*本記事は、「『うまく言葉にできない』がなくなる 言語化大全」の著者・山口拓朗氏による書き下ろしです。








