「2000年基準」の家は
なぜ倒れたのか
国土交通省は、2000年基準以降で倒壊した7棟の要因を3つに整理している。
1つ目は、現行規定の仕様となっていない接合部が見つかったケース(3棟)。設計上は2000年基準を満たしていたのに、実際の建物では柱や梁(はり)をつなぐ金物が基準より弱いものになっていたり、取り付けられていなかったりした可能性がある。設計図の段階で金物の指定を誤ったのか、図面は正しかったが現場で違うものが取り付けられたのか、そもそも取り付けが忘れられていたのか。いずれにしても、設計と施工の間にズレが生じていたことになる。
提供:さくら事務所
2つ目は、著しい地盤変状の影響(1棟)。3つ目は、震源や地盤の特性に起因して局所的に大きな地震動が建築物に作用した可能性があるもの(3棟)。どちらも建物の足元にある地盤が、倒壊の引き金となったケースだ。
1つ目の接合部の問題については、もう少し詳しく触れておきたい。木造住宅では柱と梁の接合部に金物を取り付けるが、金物には強度のランクがあり、箇所ごとに正しい使い分けが必要になる。ところが、私たちの検査現場でも、設計図で指定されたランクとは異なる金物が取り付けられているケースは珍しくない。
実際に新築工事中の現場で確認された事例。本来は右側の大きな金具が設置されなければならない場所に、誤って小さな金物が設置されてしまっている。(出典:さくら事務所)
原因の一つとして、以前は金物の選定が住宅会社自身のチェックを経ないまま、木材の加工を担うプレカット業者に委ねられていたケースもあった。こうした実態が示しているのは、耐震性能は図面の上だけで完結するものではなく、現場で正しく施工されて初めて実現するということだ。







