不動産を検討する夫婦写真はイメージです Photo:PIXTA

不動産の「選別のうねり」は
さらに一段上のフェーズへ

 2026年の幕開けにあたり、不動産市場のこれからに思いを巡らせている方も多いのではないだろうか。昨年は、住宅価格がこれまでの想定をはるかに超える領域へと突入し、住まいという資産の捉え方が根本から揺さぶられた一年であった。

 2025年に起きた変化の本質は、単なる高騰ではない。エリアのブランド力や駅からの距離、そして管理状態といった「条件の良しあし」が、物件ごとの価値をこれまで以上にはっきりと分かつようになったことにある。この選別のうねりは、2026年、さらに一段上のフェーズへと進むものと考えられる。

 昨年末の税制改正大綱の公表も含め、市場を取り巻くルールが変わりつつある今、「どこを買うか」という期待以上に重要になるのが「何を避けるか」という視点である。新しい年を迎えた今こそ、私たちがアップデートすべき価値観と見極めるべき、住まいの本質について明らかにしていきたい。

価格高騰は23区に集中
一極集中の構図が明確に

 現在の不動産市場において最も直視すべき事実は、価格高騰の勢いが「東京23区」という極めて限定的なエリアに集約されたことだ。

 この一極集中の構図がいよいよ明確になったことを、皮肉にも郊外市場の動きが鏡のように映し出している。かつては郊外エリアまで及んでいた「出せばすぐ売れる」といった勢いは、今や23区内という限られた範囲に落ち着き、それ以外の地域では買い手の反応が緩やかになっているのが実情である。

 それを象徴するのが、郊外のマンションや一戸建てにおける購入申し込みの入り方の変化だ。つい最近までは一つの物件に何組もの購入希望者が重なり、奪い合いになるのが当たり前であったが、現在はそうした光景は目に見えて減少しつつある。価格の上昇が23区に絞り込まれる一方で、それ以外のエリアでは取引の競争性が目に見えて落ちている、というわけだ。2025年、この市場のコントラストはより鮮明になってきたと言えるだろう。