まずやらなくてはいけないのは、スケジュールの交渉だ。
この交渉なしに、いきなり実作業に取りかかってはいけない。そもそも、ひと口に「締
め切り」といっても種類がある。
「絶対にその日までに作業が完了していないと困る」もの。
「別にいつでもいいんだけど、目安として仮に期日を決めている」もの。
どちらも「締め切り」ではあるが、そうとうに温度感が違うのがわかるだろうか。
クライアントの言っている「締め切り」がどちらなのかを、できるだけ相手が不快にならないような言いまわしを考えてヒアリングする。これは本当にがんばりどころだ。
ある意味、納品物を制作する以上の神経を使っているかもしれない。運がよければ、これだけで無理を回避できるのだから。
100%以上の力で
仕事をこなすコツ
スケジュール交渉がうまくいかなかったら、いよいよ実作業において無理をする。
まず僕が使うのは「ポモドーロテクニック」だ。
これは「25分作業したら必ず5分間の休憩を入れる」というもので、専用のアプリがあったり、専用の時計が売られていたりもする(おすすめは時計のほう)。単純なテクニックのようだが、ずっと集中力が続くという、びっくりするような効果が得られる。さらに、自分が25分間で行った作業を振り返ると「今日1日でどのくらいの作業ができそうか」も自然と見えてくる。
問題は非常に疲れる点だ。必ず5分間の休憩を入れるのだから、いつもより疲れないように思うかもしれないが、ポモドーロテクニックを4セット(2時間)終えたあとには、もうクタクタになってしまう……できるだけ使いたくはない。
さらに、できるだけ同じ作業が続かないようにする。
案件Aと案件Bと案件Cが同時に走っているなら、ひとつの案件を2時間までと区切って、1日のなかでそれぞれの案件に取り組む。もしもひとつの案件しかないのなら、そのなかで作業を切り出して、取り組む内容を変えていく。
同じ作業を続けていると、どうしてもダレてくるもの。しかしこうすることによって、ちょっとでも新鮮な気持ちを自分のなかに取り入れることができるのだ。
「朝一番にコンビニへ行ってビールを買ってくる」というのもよくやる。
『生きることがラクになる これからのフリーランス』(斎藤充博、光文社)
もちろん作業中に飲むわけではない。冷蔵庫に冷やしておいて「今日の作業が全部終わったら飲むんだ!」と、あらかじめごほうびをつくっておく。本当に小手先の工夫だが、僕の場合はこれがよく効く。
ビールって、疲れているときやひどい目にあったあとに飲むのが、いちばんうまいと思うのだ(お祝いや旅行のような楽しいときに飲むビールって、そんなにおいしく感じない)。
100%以上の力で仕事をこなしたあとには、不思議な高揚感が漂ってくる。「これを日ごろからやっていれば、もっと仕事がこなせるのでは!」みたいに。
しかしこれは悪魔のささやきで、2~3日後になって成果を振り返ってみると、いつもよりクオリティが低くなっていることに気がつくはず。
結局「がんばらない」ようにするのがいちばんいいのだ。







