トランプ大統領は日本を守らない

 トランプ氏の「石油が欲しいなら自分たちで取りに行け」という発言は、主に、そのマクロン氏やイギリスのスターマー首相らに向けられたものだ。

 フランスは、先月末、軍事物資を積んでイスラエルに向かっていたアメリカの航空機の領空使用を拒否しており、イギリスもまた、「この戦争に巻き込まれるつもりはない」との立場を堅持している。

 日本に関しては、3月20日の日米首脳会談以降、目立った発言はなかったものの、トランプ氏は演説と同日に行われたホワイトハウスでの会合で、日本はホルムズ海峡を経由しての輸入に依存しているとして、「(開通への努力は)日本にさせればいい」と名指しで批判している。

 高市氏が、先の日米首脳会談の冒頭、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と持ち上げ、日米合意に基づく第2陣の投資プロジェクトまで発表したにもかかわらず、トランプ氏が以前から表明してきた「日本はアメリカを守らないのに、なぜアメリカが日本を守らなければならないのか」という考え方に、何ら変化はなかったということだ。

 経済安全保障ですらそうなのだから、安全保障そのものになればなおさらである。

「日米安保条約があっても、アメリカが、沖縄にある小さな『岩』のような尖閣諸島を、アメリカ軍の兵士たちの血を流してまで守ってくれると過信しないほうがいい」

 とは、安倍晋三元首相が、2022年7月6日、つまり、奈良市内で銃弾に倒れる2日前に、横浜駅西口での遊説で語った言葉だ。

 当時のアメリカはバイデン政権。今のトランプ政権はもっと明確で、アメリカは、目に見えるメリットがない限り、日本に手を差し伸べることはないと考えておいたほうがいい。