学びを生む対話には
「話題の引き出し」が必要

 次のステップは、だれかを相手に「学びのコミュニケーション」に挑戦することです。頭の中で考えたり、ひとりで情報を整理するのとは違い、他者とのやりとりには、思った以上に高いハードルがあります。それでも、このステップを踏むことが学びを深めるうえで欠かせません。

 友人や同僚に疑問を投げかけても、うまく聞いてもらえなかったり、期待した答えが返ってこないこともあります。先生や先輩など、知識のある人に尋ねても、納得できる説明が得られるとは限りません。こうした経験から、「人との対話って難しい」と感じることもあるでしょう。

 日常的に多くの人と会話していても、「学び」を意識した対話は意外と少ないものです。学校の先生とのやりとりでさえ、一方通行になってしまうこともあります。

 その難しさの背景には、私たち自身も、そして相手も、「学びのためのコミュニケーション技術」を十分に持っていないという現実があります。

 そんな状況を避けるために「学びのコミュニケーション」では、ただ情報を交換するだけではなく、相手が興味を持てる話題を選び、伝わる方法で話してみましょう。

 たとえば、まず「話題の引き出し」を持っているかどうかは重要です。

 どんな人と、どんな場面で出会うかわからない中で、会話の糸口を見つける力が求められます。ケンブリッジの先生たちが天気や食べ物の話をよくするのは、それが誰にとっても話しやすい共通の話題だからです。

 また、自分の勉強や仕事について話すときも、専門的な内容にかたよらず、誰にでも理解しやすい例を用意しておくことが大切です。

 こうした工夫をすることで、コミュニケーションは単なる会話から、互いに学び合う豊かな時間へと変わっていきます。最初は難しく感じるかもしれませんが、その分、得られる学びは深く、実りあるものになります。

 そしてもし可能であれば、会話を一歩先へと展開させる技術にも挑戦してみましょう。そこで大切なのは、対話が楽しく、印象に残り、「また話したい」と思えるような雰囲気をつくることです。