社員が逮捕後に保釈→自宅待機命令を出すことは可能?賃金はどうすべき?【弁護士が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

会社の社員が突然の逮捕!勾留後保釈をされたが、会社は一体どのような対応をすればよいのだろうか?以前と同じように働かせるのか、自宅待機なのか、休職にするのか、その場合の賃金はどうすればいいのか……。意外と身近で起こるかもしれない「もしも」の時に取れる対応について説明しよう。※本稿は、弁護士の小鍛冶広道、小山博章、宇野由隆、柏戸夏子、金澤 康『社員が逮捕されたときに読む100問100答』(労働開発研究会)の一部を抜粋・編集したものです。

保釈中の出勤を制限する法律はないが
保釈条件違反には注意が必要

Q 社員が逮捕・勾留後保釈されました。従前のとおり働かせるべきでしょうか。

A 保釈中の社員を出勤させること自体に法的な問題はありませんが、保釈条件(特に事件関係者との接触禁止)に違反しないよう注意が必要です。また、出勤を認めるかどうかは、事案ごとに判断し、復帰のため職場環境の調整が整っているか、懲戒処分が完了しているか等の要素が重要となります。

 保釈中であることを理由として社員の出勤を制限する法律はありませんので、会社が出勤を認めたとしても違法ではありません。

 ただし、保釈条件に違反しないかについては注意が必要です。

 裁判所は、保釈に当たって、住所を制限する、旅行を制限するなどの条件を付することができるのですが(刑訴法93条3項)、その保釈条件としてよく設けられるのが、事件関係者との接触禁止の条件です。事件関係者は、裁判における重要な証人となり得るので、保釈中にそのような証人と接触するのは望ましくないということから、しばしば、そのような条件が付されます。