仕事における数値化では、会計や統計学などの難しい知識は必要なし。四則計算ができれば十分。一方で、気を付けたいのが、「ニセモノの数値化」や「確率のワナ」だ。特集『識学大全』(全12回)の#11では、最速で成長するためにマスターしたい「4つの数値化」を解説する。
「仕事ができる人」に共通する
4つの数値化とは?
仕事における数値化には、会計や統計学などの難しい知識は特に必要ありません。足し算、引き算、掛け算、割り算の四則計算ができれば十分です。しかし、簡単かと言えば、そうではありません。さまざまなバイアスがあなたを襲って来るからです。
分かりやすいところだと、「会話力」「英語力」などの「ニセモノの数値」があります。
例えば、海外での新規ビジネスチームに配属され、「今年は英語力を2倍にアップさせる」という目標を立てたとします。一見すると、2倍という数値が入っているので数値化できているように思えますが、スキルをどのくらいアップさせるのか具体的な目標になっていません。これは、数値化に見せかけたニセモノの数値なのです。
英語を話せるようになりたいのであれば、「TOEICで800点以上を獲得する」「1日に10単語ずつ覚える」など、具体的な目標を定めるべきです。他にも、企画力や販売力など、「○○力」という言葉には注意が必要です。これまで都合よく考えてきた逃げの言葉を、1つ1つ潰していきましょう。
次のページからは、数値化を用いてPDCAを回す際に鍵となる「行動量」「確率」「変数」「期間」という4つの考え方を説明していきます。