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健康のためには、脂肪やカロリーを控えたほうがいい――実は、この説は「高齢期」においては必ずしも当てはまらない可能性がある。医師の筆者は、日本人の健康寿命を左右してきたのは「制限」ではなく「栄養不足」だと指摘。一体どういうことか?※本稿は、和田秀樹『死ぬまで元気 88の読むサプリ』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
仙人のように粗食の人ほど
元気に長生きするのは難しい?
若いうちは栄養に無頓着でも元気でいられます。ダイエットをしても、栄養失調になっても、歩けるし生きていけます。
ところが高齢になって栄養が不足すると、あっという間にヨボヨボになります。仙人みたいな人ほど元気で長生きだ、と錯覚している人が多いですが、仙人のように粗食を実践している人ほど、元気に長生きするのは難しいのが現実です。それほど栄養素は大事なのです。
本当は脂肪を摂るという発想が大事なのに、日本人は歴史的に脂肪を摂ろうとしてきませんでした。そんななか唯一、例外的に脂肪を摂っていたのが沖縄県民でした。だから元気で長寿でしたが、本土の医者が「脂肪を摂るな」と逆のことを教え、しばらくすると「長寿県」から「短命県」に変ってしまいました。
沖縄の人がたくさん食べていたのは豚肉でした。豚肉の脂質がいいとか、豚肉に含まれるビタミンB1がいいとか、いろいろいわれますが、豚肉から脂肪を摂取していたことは間違いありません。
長寿につながっていた沖縄県民の食生活が壊されたのは、日本には栄養学に無知で無頓着な医者が多いから。私はそう思っています。
栄養学が大事だという認識は、昔から日本人に欠けていました。古くは日露戦争のときの逸話があります。当時、陸軍の軍医の責任者は森鴎外でした。







