2回のレースからわかること

 いかにも「20メートル差で勝つ」になりそうですが、違います。

 直感に頼らずに、すでにおこなわれた2回の競走からわかることを確認していきましょう。

 3人が走る速度はつねに一定ですから、1回目のAとBの競走で、

 Aが100メートル走る時間=Bが90メートル走る時間

 であるとわかりました。

 重要なのが、AとBはずっと10メートル差で走り続けていたわけではなく、Aがゴールした瞬間に10メートルの差がついたということ。

 これは2回目のBとCの競走においても同じことです。

BとCの差は?

 さて、以上のことをふまえて、もしA,B,Cの3人が一緒に走ったらどうなるかを考えてみます。

 当然、最初にゴールするのはAです。
 その瞬間、Bはゴールの10メートル手前である、スタート位置から90メートルの地点にいます。

 ではCは、Bのさらに10メートル手前、つまりスタート位置から80メートル地点にいる?

 いえ、BとCの差が10メートルになるのは、Bが100メートルを走りきった瞬間です。

 Bが90メートル地点にいるいま、BとCの差はまだ10メートルまでは広がっていません。

Cはどこにいる?

 BとCによる競走では、Bが100メートルを走った結果、Cに10メートルの差をつけました。

 2人の走る速度は一定とあるので、つまりBは、10メートル走るごとに、Cに1メートルの差をつけていった計算になります。

 つまり、Bがスタート位置から90メートルの地点にいるとき、Cとの差は9メートルです。

 ということは、Aがゴールした瞬間、Bはゴールの10メートル手前である90メートル地点にいて、Cはそこからさらに9メートル手前の

 81メートル地点にいます。

 そのため、AはCに19メートルの差をつけて勝ちます。

<正解>

19メートル

この問題から学べること

 問題文には「100メートル」「10メートル」といったキリのいい数字しかないため、直感で考えると、答えもキリのいい数字になると思ってしまいがちです。

 でも、正解は「19メートル」。

 表面的には見えていない数字が、ちゃんと考えることで導き出されました。

 なんとなくの印象を信じると直感の落とし穴にはまってしまう。

 そんなことを、教えてくれる問題でしたね。

(本稿の問題は、シリーズ最新作『もっと!! 頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から抜粋しています。本シリーズでは同様の「読むほどに賢くなる問題」を多数紹介しています)