なお、われわれ人間が知覚できる音の高さの幅(可聴域)は20Hzからせいぜい20kHzの範囲であり、彼らの発する超音波を聞くことはできない。したがって、「喜びの声」は、耳をすましても聞こえない。
ペットのネズミの「喜びの声」を耳にしたい方は、人間の可聴域に変換する機器(超音波受信機、通称「バットディテクター」)を使うとよいだろう。3万円程度で購入できる。
さて、話を戻そう。ネズミたちが回し車で走るのを楽しんでいるなら、「喜びの声」を出していそうだ。それを調べた研究がある。ドイツの研究者らは、12匹のラットを1匹ずつU字走路の出発箱に入れ、ゴールとなる目標箱にたどりつくと回し車で20分間走ることを許すという訓練をした(図2-1)。
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訓練は1日1回、2週間にわたって行われた。12匹のうち6匹は目標箱の先の回し車でよく走り、残り6匹はほとんど走らなかった。なお、この12匹とは別に、回し車が動かないように固定した8匹もいた。
回し車を回せるか否かが
ネズミの「喜びの声」を左右する
図2-2に示されているように、回し車でよく走る6匹は、目標箱と回し車のエリアで「喜びの声」を次第にあげるようになった。いっぽう、ほとんど走らない6匹では「喜びの声」はまれにしか生じなかった。
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興味深いのは回し車が動かない(つまり、走れない)8匹の結果で、出発箱に入れられたときには「喜びの声」をたっぷりあげるが、目標箱と回し車のエリアではほとんど「喜びの声」を出さなかったことだ。







