これは、その日の初めには大きな期待を寄せていたが、回し車が動かないということを理解して落胆しているという証拠かもしれない。毎日、「わぁーい」で始まり「がっくり」で終わるという繰り返しだったのだろう。気の毒でしかたない。
ついでにいうと、日本では、鹿児島大学の菅野康太准教授たちのグループが、マウスも回し車にいるときに「喜びの声」をあげていることを学会発表している。
楽しいことは報酬(ごほうび)になる。サッカー好きの子どもなら「勉強したら、サッカーしていいよ」とサッカーをごほうびにして、勉強するようしむけることができる。
回し車で走ることがネズミにとって楽しいならば、それ自体が報酬になるだろう。たとえば、オーストラリアの研究者たちは、回し車で走った経験のある9匹のラットを1匹ずつ図2-3のようなT字迷路に入れた。
同書より転載 拡大画像表示
出発箱から出たラットは途中で左右の選択をする。片方には回し車が置いてあって、そっちを選んだら30秒間だけ走ることができる。反対側を選んだら10秒間何もない先端に留め置かれる。これを1試行として1日5試行、30日間訓練した。
回し車はネズミにとって
ごほうびだった!
回し車のあるほう(正答)は左か右かの2択なので、偶然の正答率は50%である。訓練を続けると90%近くまで成績が向上する(図2-4の左のデータ線)。回し車で走ることが報酬として機能しているといえるだろう。
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