いずれにせよ65歳まで雇用するわけですから、定年は65歳と割り切って、個人は能力・経験を活かして働き、企業は整合性ある処遇を行うことが合理的です。
70歳定年については、筆者はそれぞれの企業が判断すればよいことだと考えます。厚労省のデータでは男性の健康寿命は72.57歳です。「定年まで働かなくてはならない」ということではないにしても、「そこまで働くと、残りはわずか2年半かぁ」という気がしなくもありません。もちろん、健康状態やワークライフバランスに関する考え方は人それぞれです。
定年のあり方については、「定年制度そのものを廃止する」という選択肢もあります。現在、定年制度がない企業は1.9%で、ほとんどすべての企業には定年があるといってよい状況です。そして、調査では、定年がある企業のうち「定年を廃止する予定」と回答している企業は4.3%に過ぎません。将来に向けても、定年がない企業は5~6%程度に留まりそうです。
定年制度がない状態を
イメージしてみよう
「何歳まで働けるかを会社に定年で決められたくないなぁ」
「定年がないということは、いつ肩叩きされるかわからないってことじゃないよね?かえって社員の身分が不安定になるようで心配」
定年制度がない状態を明確にイメージできる人は少ないかもしれません。実は、企業にとってもなかなかイメージしにくいのです。
定年制度がないとは、就業規則において特定の年齢で自動的に退職させる規定を設けていないということです。無期雇用の正社員は、退職時期を個人個人が自分で決めて申し出ることになり、理屈上は、何歳まででも勤めることができます。働く側からすると、「理想的だ!」と言えそうですが、企業側から見ると、非常に手間がかかる厄介な仕組みです。
会社として、この人には「そろそろ引退してほしい」と思っても、本人に退職の意思がなければ、業務上の著しい能力不足や勤務態度不良を立証できる場合や、経営悪化による整理解雇に該当する場合でもない限り、本人との個別の話し合いで決めるしかありません。
日本で定年制度がない企業としてはサイボウズが挙げられますが、ほかに大手企業での事例はあまり見当たりません。







