つまるところ、お金に振り回されるというのは、感情に振り回されることなのです。

 ちなみに、“お金に振り回されるお金持ち”は、「たくさん税金を払いたくない」という感情的な損失を回避するためだけに、タックスヘイブンの国に移住するような人たちです。

 その国が好きで、何か目的があって移住するのならわかるのですが、「年に数回日本に帰ってくるのが楽しみ」と言っている人もいて、なんか変だなと思います。

お金に振り回されないために
身につけるべき2つの習慣

 さて、それでは、私たちが「お金に振り回されない」ためには、どのような習慣を身につければよいのでしょうか。

 ここでは、持続可能な方法で資産を築いている人に共通する2つの習慣をご紹介します。

(1)脅威の見える化

「脅威が見えていないから、なんとなく不安」をそのままにしていると、脳はずっと警戒モードを維持し続け、心も体も疲れてしまいます。

「何が不安なのか」を言語化し、数字で把握するだけで、脳はそれを“問題”として処理し始めます。たとえば、

・「このままでは老後資金があと1500万円足りないかもしれない」
・「住宅ローンの完済まであと15年ある」

 というように言葉で把握します。

 こうして“不安”を“現実的な問題”として定義できたとき、初めて「どう対処するか(Fight or Flight)」を検討し、動けるようになります。

(2)安全基地の確保

『あっという間にお金はなくなるから』書影あっという間にお金はなくなるから』(佐藤舞、KADOKAWA)

 脅威が見えない、または不確実な状況であれば、「何が起こるかわからないから、現状を維持しよう」ではなく、「世界を探索してみよう」と思える状態にすることが重要です。

「怖いけれど、大丈夫」と思える。

 失敗しても、戻れる場所がある。

 そう思えることが、探索や行動の余白を生み出します。

 気持ちだけではなく、現実的な備えも必要です。

 お金そのもの、収入源、スキル、制度、支援――実際に使える“リソース”を持っているかどうかが、探索に出かける際の安心感の土台になります。