立教池袋/東京・豊島区“立教ボーイ”の母校愛は強い(立教池袋/東京・豊島区)

2026年首都圏中学入試で見られた「付属校離れ」について、MARCHの明治大学と法政大学、中央大学を取り上げてきた。今回は立教大学である。男女各2つの系列校体制は、今後どのようになっていくのだろうか。(ダイヤモンド社教育情報、森上教育研究所)

12番目となる環境学部が新設された立教大学

 4月17日に立教大学は「キリスト教教育連携校」の導入を公表した。これは、キリスト教学校教育同盟の加盟校を対象としたもので、キリスト教に基づく人格教育という共通の価値観を持つ学校と高大接続の新たな枠組みをつくるというものだ。北海道と横浜の2つの高校が最初に選ばれた。この点については、推薦入学の新しい取り組みとして、最後に詳しく触れてみたい。

 2026年首都圏中学入試では、3つの特徴的な出来事があった。そのうちの大学系列校の“軟化”について、人気のMARCH系列校に焦点を当て、明治大学法政大学中央大学をすでに見てきた。今回は立教大学を取り上げる。

 1874(明治7)年、築地居留地に米国聖公会の宣教師が創立した「立教学校」がルーツで、“聖ポール”と呼ばれる学校法人立教学院は、英国国教会を母体とするアングリカン・チャーチ(聖公会)の日本聖公会での中心的な存在である。聖公会は、カトリックの典礼とプロテスタントの教義を持つキリスト教の中でも中道的な宗派とされる。その中核となる立教大学は全体的にリベラルアーツ色と国際志向が強い。

 森上展安・森上教育研究所代表が、「付属校中学の受験者数減少は、何といっても理系進学率の少なさに原因があります」と指摘するように、これまで見てきたMARCHの系列校は受験者数をこの3年間で減らしてきている。

 この“理系不足”がMARCHの中でも際立っているのが立教大だ。理系学部といえるのは数学科、物理学科、化学科、生命理学科の4学科で構成される理学部のみ。文学部が入学定員の2割弱を占めるなど文系学部が圧倒的で、大学全体の入学定員に占める理系学部の割合は6%に過ぎない。明治大25%、法政大19%、理系学部を27年以降2つ新設して現状の19%から23%程度まで増やす中央大とは大きくかけ離れている。

 26年に立教大12番目の学部として新設された環境学部(入学定員204人)は、一般選抜でも文系型と理系型の入試を設定、文理融合色が強い。必ずしも理系学部とはいえないが、この定員を加えても10%にぎりぎり届かない。

 中高大10年間(場合によっては小学校からの16年間)を内部推薦のエスカレーターで進む生徒が多いMARCHであっても“付属校離れ”の例外ではない。難関国公立大学や早慶にはいま一歩届かなくても、せめてMARCHにと望む保護者が、中学受験でこうした系列校(大学と同じ学校法人の付属校と異なる学校法人の系属校)の受験を後押ししてきた。

 少子化が進んでも、MARCH系列中学はランク的には上位・中堅校のグループに収まり、実倍率も3倍前後となかなかにハードな受験が続いてきた。立教大の4つの系列校も中堅上位校のCランクである。

 ところが、新型コロナ禍が明けてから、こうした系列校の受験者数が減少傾向で、実倍率(受験者数と合格者数の比)も緩和気味になっている。特に26年入試では、全体的に大学系列校の緩和傾向が目に付いた。

 なお、受験者数・実倍率動向については、ランクも参照しながら見ていきたい。入試の難易度は四谷大塚「合不合Aライン80偏差値」でランク分けした。Aランク(65以上)、Bランク(60~64)、Cランク(55~59)、Dランク(50~54)、Eランク(45~49)、Fランク(40~44)、偏差値が付かない入試回はHランクとなっている。

 生徒募集の困難さから20年に共学化した聖ヨゼフ学園(横浜市鶴見区)や24年に男子部中等科を廃して女子部中等科を男女共学の中等科に改組した自由学園(東京・東久留米市)のように、キリスト教の学校でも共学校が増えている。それでも立教大系列校はいまも男女別学校で、この点がMARCHの中でもユニークだ。4校とも日本聖公会系で、信仰を同じくする。