「空飛ぶ絨毯」の原点――ハイドロニューマチックサスペンション

 ハイドロニューマチックサスペンションは1955年デビューのDSに初搭載されたシステムで、一般的なサスペンションの金属バネとダンパーの代わりに油と空気を使って衝撃を吸収するのが特徴。これがフワフワとした独特の乗り心地をもたらしてくれました。たとえば荷物をたくさん積んだりリアシートに人が乗ったりした場合も、シリンダー内のオイル量を変化させて常に一定の車高を保つことができるのも、このシステムの特徴です。

DSに搭載されたハイドロニューマチックサスペンションDSに搭載されたハイドロニューマチックサスペンション(広報写真)

 そしてセンターコンソールに設置されたレバーで車高を調整することもでき、たとえば荷物の積み下ろしをしたい時は車高を低くして、荒れた場所を走る際は車高を上げるなんてこともできました。車高が上下する際にリアがピョコンと持ち上がるなど、その動きが愛らしかったのもよく覚えています。

ハイドラクティブへの進化、そして終焉

最後のハイドロモデルとなったC5 ファイナルエディション最後のハイドロモデルとなったC5 ファイナルエディション(広報写真)

 ハイドロシステムは、1989年に登場したXMで電子制御を用いたハイドラクティブサスペンションへと進化しました。ハイドラクティブはII、IIIと熟成を重ねましたが、2016年にC5が販売終了となったことで、ハイドロの歴史にピリオドが打たれました。

ハイドロの哲学を現代に受け継ぐPHC

PHCはダンパー内部にセカンダリーダンパーを入れ、通常のダンパーより衝撃をいなしやすい構造にしているPHCはダンパー内部にセカンダリーダンパーを入れ、通常のダンパーより衝撃をいなしやすい構造にしている(広報写真)

 PHCは、絨毯で空を舞っているように柔らかい独特の乗り心地を現代に蘇らせたもの。サスペンションだけでなくシートも含めてシトロエンらしい乗り心地を実現しているのも、ハイドロシステムと共通する考え方です。しかもハイドロシステムのような複雑な機構を必要としないため、信頼性の向上にもつながっています。他のブランドでは味わえないシトロエンらしい乗り心地を、ぜひ一度試乗で感じてみてください。

(AD高橋)