自販機に並ぶ「UCC BLACK無糖」 Photo by Manabu Fushimi
1994年に誕生した「UCC BLACK無糖」は、「甘くない」ブラック缶コーヒーという新たなジャンルを開拓した。一気に認知度を高めたが、その人気を維持するのは簡単なことではない。パッケージのわずかな変更が、ロイヤルユーザーの離脱を招くこともあったという。ロングセラーを支えてきた変わらない製品哲学、そしてアップデートし続けてきた魅力に迫る。(フリーライター 伏見 学)
ターゲットはビジネスリーダー
ポルシェが当たるキャンペーンも実施
発売から10年ほどが経過した2000年代半ば、UCC BLACK無糖はブランドの格上げに挑んだ。
当時の消費者調査で浮かび上がったのは、UCC BLACK無糖ユーザーの日本経済新聞購読率の高さという傾向だった。ここからUCCが設定したターゲット像は「洗練されたビジネスリーダー」。ビジネスとプライベートの両面で自分を高めようとする、上昇意識の高い人物像である。
具体的に何に取り組んだのだろうか。
2006年以降、UCCは産地にこだわったプレミアム限定品(ヴィンテージコロンビア、マンデリン・ハリマオウなど)を相次いで投入したほか、高級車「ポルシェ ケイマンS BLACKバージョン」を毎月1台(3カ月間限定)プレゼントするという、当時としても異例の規模のキャンペーンプロモーションを展開した。
現在も豆の種類や産地などにこだわったプレミアム商品を展開する Photo by M.F.
CMには発売当初から継承してきたテーマ曲「BLACK NIGHT」を引き続き使いながら、「原材料、コーヒー、以上。」という潔いコピーで本格感を訴求。プレミアムラインを拡充することで、ブランド全体の価値を押し上げる戦略だった。この第2段階の取り組みは奏功し、2006年から数年間で売り上げは急増することとなった。







