こじつけるわけではありませんが、実は私も似た哲学を持って仕事をしてきました。稲盛氏に対して「似た」などと申し上げることにお叱りの言葉を受けるかもしれません。ですが本当に、たまたまです。私の哲学はこれです。
「感情的に妄想し、理性的に計画し、感情的に行動する」
起業を成功させた人ほど
理性で考えず感情で踏み出す
かつて父親に、「計画なくして成功はない」と言われたことがありました。極めて口数の少ない父が発した言葉。ちょうど私が教育者の活動を始めようと起業を決意した頃だったと記憶しています。
もともと私は理性の強い性格でしたから、自然と計画は理性的になります。数字を使い、論理的に、現実的な絵を描く。しかしその手前の妄想や、その後の行動まで理性的だとどうなるか。実に退屈でときめきが存在しない状態になります。
そもそも理性という言葉には、「欲を抑える」というニュアンスがあります。「したい」という感情を抑えるのが理性だとするなら、理性的な妄想は「本当はしたいこと」から無理やり目を背けようとしていることにならないでしょうか。そして理性的な行動は「本当はしたくないこと」をガマンしていることになります。繰り返しですが、実に退屈でときめきが存在しない状態です。
ですから、私の妄想は感情を大切にし、計画は徹底的に理性で、しかし行動は感情むき出しで行うようにしています。その典型が、先ほど話題にした起業でしょう。
ベンチャー企業の20年後の生存率は0.3%というデータがあります。ただ、起業の成功率については様々な定義やデータの取り方があり、一概には言えません。あくまで参考程度にしましょう。
いったんこのデータを受け止め、起業の成功を「生存」と定義するなら、長期的に見ればほとんどが失敗するということになります。理性的に考えれば、起業などしないほうがいいとなります。
では実際の私はどうだったか。感情を大切に、ためらうことなく起業を決意しました。もしここで理性を大切にしたら、いまの私はいません。
事業計画はとても緻密に行いました。私の得意とするところです。







