ハンガリーの政治は通常、外の世界にとってさほど重要ではないが、マジャル・ペーテル氏率いる新興野党「ティサ(尊重と自由)」の選挙での地滑り的勝利となると話は別だ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やスティーブ・バノン元米大統領首席戦略官は、意気消沈している。21世紀の最も注目すべき政治家キャリアの一つが終わりを迎えようとしているとみられる今、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の足取りは弾んでいる。オルバン・ビクトル首相を好きか嫌いかにかかわらず、同氏は絶えず自分の実力以上のことをやってきた数少ない指導者の1人だった。人口約950万人で経済不振のハンガリーは、世界を動かしたり揺るがしたりするような国々の一つではない。オルバン氏がブダペストから頭角を現し、米国の新興のMAGA(米国を再び偉大に)活動家たちの世代の英雄となり、そして欧州の権力政治における重要プレーヤーになったことは、ハンガリーの有権者たちがあっさりと切り捨てたばかりのこの人物の才能を物語っている。