千鳥屋本家お菓子詰め合わせ(東京商工リサーチ撮影)
九州・福岡を代表する銘菓「千鳥饅頭(ちどりまんじゅう)」の老舗が民事再生へ――。400年近い歴史と全国ブランドを築いた名店に何が起きたのか。背景にあったのは、コロナ禍やコスト高だけではない。同族経営の分裂とブランドの揺らぎが招いた“老舗崩壊”の実像に迫る。(東京商工リサーチ福岡支社情報部 高岩悟郎)
経営破綻のニュースに地元は衝撃
九州・福岡を代表する銘菓、「千鳥饅頭(ちどりまんじゅう)」。カステラ生地に白あんを包んだお菓子で全国的に知られる。その千鳥饅頭を製造販売する(株)千鳥屋本家(福岡県飯塚市、以下当社)とグループ3社が2月27日、福岡地裁に民事再生法を申請した。4社合計の負債総額は22億727万円(決算期末時点・グループ間取引含む)に達した。
飯塚本店のほか、福岡県内にグループで42店舗を運営していた。民事再生法の申請後も店舗営業は続けているが、地元で長年親しまれた老舗菓子店の経営破綻のニュースに、地元福岡では衝撃が走った。
千鳥屋本家の店舗(井尻店)(東京商工リサーチ撮影)
「千鳥屋」の屋号を使う菓子店は当社だけではない。同じ福岡県内には親族が経営する(株)千鳥饅頭総本舗(福岡市博多区)があるが、こちらは今回の民事再生とは全くの無関係だ。千鳥饅頭はそれぞれ両社の店舗で販売されているが、これまでの経緯を知らない消費者には違いがわかりにくい。なぜこうなったのか。ひも解いていくと、そこには事業拡大と成功の影で生じた同族経営の難しさが見え隠れする。







