営業部長は、部下の言葉をそのまま信じて人事部へクレーム連絡。その営業部長は、人事課長より社歴も役職も上だったので、人事課長はただひたすら謝罪したそうです。
もちろん、私の講師としての力不足も原因のひとつにあったと思います。ただ、今回お伝えしたいのは、「責任を取らない人事」が研修を無意味にするという大前提です。
実は別の企業でも、同じように人事部から「厳しくやってください」と言われ厳しく指導したことがあります。その時も、社内から反発の声が出ましたが、人事部から発信したメッセージは全く別のものでした。
「参加者の態度、考え方が甘かったので人事部からの強い依頼で、外部講師から厳しく指導していただきました。本来であれば、上司の指導力不足が原因です。今後、上司として人財育成に対する意識、行動変容を求めます」とピシャリ。それで終わりました。
「責任を取らない人事部」が研修を無意味にする
これまで多くの企業とお付き合いをしてきたので、社内における人事部の力の強さは、企業によって違うことは知っているつもりです。冒頭のメーカーさんは元来、人財育成に熱心でした。以前の人事課長とは一緒に泣き笑い、苦楽を共にした戦友のような感覚すらあります。だからこそ、今回の顛末が残念なのです。
人事部の役割のひとつに、人財育成を通じて社員を「あるべき姿」に近づけることが挙げられます。身内から批判されるのを恐れていては、何も進まないでしょう。研修にも軸というかポリシーがないと、結果的に、やってもやらなくても大して変わらない研修になってしまいます。生ぬるい消化試合のような研修を積み重ねれば、「研修なんて意味ないよね」と社内の四方八方から文句が出るようになります。
「企業は人なり」という言葉があります。社員の成長無くして企業の成長はありません。人事部は、覚悟をもって業務を遂行しなければいけません。経営陣も、人事部や社内研修の担当部署には、一番優秀な社員を配置するなどの覚悟が求められるはずです。







