その状態を見かねて、親は「靴を揃えて」と何度も注意してきたものの、1年以上も変化が見られなかったそうです。
そこで私は、注意をやめることをご提案しました。
少しでも靴を揃えられたときに、すかさずほめてもらうようにしました。そして、数日が経って揃えることに慣れてきたタイミングでも、ほめることを継続。
すると、驚くべきことに2週間ほどで新たな習慣が定着しました。どれだけ注意をしても身につかなかった「靴を揃える」という行動が、当たり前のものになっていたのです。
それからというもの、その子どもは自宅の玄関ではもちろん、学校の下駄箱でもきちんと靴を揃えるようになったといいます。
「すかさずほめる」というアクションを1~2週間続けたことにより、靴を整えるという理想の行動を定着させることができたのです。
ポイント
・親がほめ続けることで、子どもは「これは良い行動なんだ」と認識できる。
・ほめられ続けながらその行動を続けるうちに、習慣化することができる。
「できて当たり前」はやめて
3回注意したら10回褒めよう
子どもにプラスのセルフイメージを持ってもらうためには、日頃からたくさんのほめ言葉をかけることです。
特に勉強に関しては、どんなにささやかなことでもほめましょう。そうすることで、勉強がつらいものではなく、楽しいものに変わっていきます。
3回注意したら、10回はほめる。それくらいの気持ちで、どんどんほめるチャンスを増やしていきましょう。
もちろん、毎日10回ほめられなくても大丈夫。注意するよりほめることが多い日が増えることが一番の目的です。
お子さんが幼かったときのことを思い出してみてください。
親であるあなたはきっと、「立てた」「歩けた」「かわいい」というように、とにかくたくさんのほめ言葉をかけながらお子さんを育ててきたのではないでしょうか。
温かな眼差しを子どもに向け、他愛ないことにも喜びを感じてほめ続けてきたと思います。
けれどもいつの間にか、子どもにかける言葉は変化していきます。
『中学受験で子どもを壊さない!合格へ導く「5つの約束」』(井上晴美、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
子どもの成長とともに親は、子どもに望むことや期待することが増えていきます。
「できて当たり前」と感じることが増えてほめることが少なくなり、やがては注意をしたり叱ったりすることが増えていくのです。
子どもにとって中学受験は、まるでオリンピックのように厳しい挑戦です。
どれほどの才能に満ちあふれた子どもでも、自分の力だけでオリンピックでの金メダルを目指すのは困難です。
親は、オリンピックを目指す子どもの親になった気持ちで、親身になってサポートをしてあげましょう。
親によるほめ言葉が、大きな挑戦をする子どものエネルギーになるはずです。
ポイント
・「3回注意したら10回はほめる」くらいの気持ちで、とにかくほめる機会を増やす。
・「できて当たり前」と思うのをやめて、ささやかな成長でも喜ぶ気持ちを持つ。
・親によるほめ言葉が、厳しい挑戦をする子どものエネルギーになる。







