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国土交通省の「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」は4月10日、昨年10月以降、6回にわたり開催されてきた検討会の議論をふまえ「課題整理・今後取り組むべき方向性」を発表した。注目すべきは、電話サービスや森林整備の維持費用として、国民全員または利用者に広く課される「ユニバーサルサービス料金」の導入によるローカル線の維持が提言されたことである。議論を振り返りつつ、課題と可能性を考えてみよう。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
ローカル線は廃止すべきか
鉄道事業者が直面する3つの課題
「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会(以下、検討会)」は2022年、人口減少社会において鉄道事業者と沿線地域がローカル線問題の現状について危機認識を共有し、利便性・持続性の高い地域モビリティの再構築と国の対応を検討・審議するために設置されたことに始まった。今回は第2期の位置付けだ。
検討会の議論については昨年12月の記事でも取り上げたが、議論の前提を簡潔に振り返っておこう。
ローカル鉄道の現状と課題について、鉄道事業者は大きく「人口減少(利用者減少、担い手減少の両面)」「高規格道路の整備、マイカー中心のまちづくりなど、モータリゼーションの進展」「インフラ維持(老朽化・自然災害リスク)」の3つを挙げている。
人口減少とモータリゼーションで需要は減少、一方で老朽化や人手不足でコストは増大する。現状のままでは鉄道の維持は困難であり、ここに自然災害が加われば、復旧ではなく廃止の方向に議論が向かいがちだ。
しかし地方自治体は、鉄道ネットワークは繋がることで機能が発揮されるとして安易な廃止に反対。国土づくり、地方創生、大規模災害時の迂回(うかい)ルート確保、安全保障の観点から議論すべき国家的問題と強調した。







