特に「輸送密度1000人/日未満の区間は、鉄道単独での維持が困難。社会インフラとして機能を果たせていない鉄道は、地域全体で支える仕組みの構築をお願いしたい」と主張した。

 内部補助については、地方自治体ごとにややスタンスが異なる。「人口の減少、利用者の減少といった構造的な状況を踏まえれば、内部補助のみによって維持を続けることは限界がある」と一定の理解を示す声がある一方、「多額の利益を計上している中、その利益を地域に還元し、地域の重要な社会インフラであるローカル路線の維持に活用すべき」との声もある。

 検討会は地方自治体の主張をふまえつつ、「利用の多い黒字路線の収益は、例えば大都市圏等における鉄道の混雑緩和や比較的利用の多いローカル路線のサービス向上など、当該黒字路線の利便性・サービス向上や維持管理、防災・減災対応のための投資に使うべき」と指摘した。

 お互いに負担を求めあう中で検討会が提案したのが、税やユニバーサルサービス料を財源とする利用者負担の在り方だ。「地域で鉄道に対して一定の投資あるいは維持のための資金を確保していこうとしたときに、そのための手段がないことは非常に問題」として、環境省の森林環境税を参考に、国民全体で薄く広く負担できるような方法を考えていくべきとした。

 森林環境税とは、温室効果ガスの削減目標達成に向けた森林の整備、災害防止、木材利用の促進などの安定的な財源確保として2024年度から徴収が始まった国税だ。国内に住所のある個人に対して、1人年額1000円、個人住民税の均等割と併せて徴収される。

 また、携帯電話の明細書でなじみ深い電話のユニバーサルサービス料は、加入電話基本料、緊急通報回線、公衆電話をユニバーサルサービスと定め、各通信事業者に1回線あたり月額2.2円(2026年1月以降)の料金を課している。

 NTT東日本のユニバーサルサービスは計258億円(2024年度)の営業赤字であり、ユニバーサルサービス基金から38億円を支援しているが、残る220億円はNTT東日本が負担している。この制度は全ての赤字を補填するのではなく、一部の支援にとどまっている。