“お嬢様大学”ブランドという誤解
もちろん一言に女子大といってもさまざまな立ち位置、建学の精神がある。特にバブル期以降、JJやCanCamなど、いわゆる赤文字ファッション誌の常連お嬢様大学として共学大とのインカレサークルで男子からチヤホヤ大人気、なんていう“お嫁さん候補”育成のブランド女子大もあった。
社会人となってから上司や取引先のおじさんに出身大学を問われ、女子大の名を出した途端に先方が「いいねぇ」と相好を崩して同校出身の知らん女性との甘酸っぱい思い出をウットリ語りだすという、「知らんがな」案件を経験した女子大OGも少なくないはずだ。実際に女子大に通う女子たちの実感や実態とは別に、女子大イメージとはかくも勝手な一人歩きをしていったものである。
だが先述したとおり、女子大には女子高等教育の場としてアカデミックかつ切実な社会的要請から発生した歴史があり、女子大ならではの環境において、その大きな実りは確かにあったのだ。
10年前よりもさらに淘汰が進む女子大、その現実
いやな表現だが、女子大の閉校や統廃合、難易度低下が“凋落”という言葉でニュースになるようになって久しい。実は私自身もまさに「女子大凋落」のニュースについてコラムを書いた記憶があり、手元の原稿を掘り起こしたら、なんとほぼ10年前、2017年のコラムだった。
「女子大の志願者が減って、津田塾の偏差値が74から65に落ちた」というのが2017年当時のネットでも騒がれていたのだが、あれから約10年の間に女子大志願者はさらに減少した。共学志向がさらに顕著となり、女子大は淘汰の時代に入った。
カリタスや東洋英和、東京女学館、恵泉、神戸海星女学院、京都ノートルダム女子など、いくつもの女子短大や女子4大(4年制大学)が募集停止・閉校を発表した。川村学園、武庫川女子や鎌倉女子など、共学化や他大学との統合での生き残りに舵を切る女子大もあとを絶たない。
“女子”大生ではなく“女子大”生。そんな時期を過ごしたOGや在学生、そして女子大で教鞭をとる教員の皆さんは、女子大の現在と未来をどう見ているのか、声を聞きたい。そんな思いに駆られて協力者を募り、アンケートに答えてもらった。
すると見えてきたのは、“女子だけを集めた高等教育”という、特別な環境が可能にした無形資産だったのだ。







