美容師が見た
「将来有望なお客様」の共通点
ただ、ここまで読んで、「なぜ美容師がお客さんの立場や仕事内容を知っているのか」と疑問に思った方がいるかもしれません。
この点について、もちろん美容師は、お客様の業界・お勤め先・役職などを根掘り葉掘り聞くことはありません。最初はどんなお客様も、お仕事にまつわるお話は、他愛もない世間話の流れで聞く程度です。
そこから私たちの技術や接客を気に入っていただき、何度もご来店いただいて会話を重ねる中で、自然とパーソナルなお話や、ビジネスのお話を聞く機会が増えていくのです。
あまり話したがらない方には、不快感を与えないよう「深入りしない」のが美容業界の基本です。
寡黙なお客様にも優秀な方がいらっしゃることは、私たちも十分に理解しています。また、私たちがオフィスでお客様と一緒に働き、仕事ぶりを直接見ているわけではないため、一連の分析はあくまで「見立て」である点をご承知おきください。
ちなみに、私はビジネス経験の少ない学生のお客様であっても「将来すごい人になるかも」と感じることがあります。
旅行や合宿で世界各地を飛び回るなど、こちらの想像を超えるほどアクティブな方。「食わず嫌い」をせず、話題の書籍・映画・SNSなどが世に出るたびに、まずは触れてみる柔軟さを持つ方。周囲を巻き込んでサークルやイベントを立ち上げるなど、牽引力があって「起業家マインド」を感じさせる方。このような若者たちには、普段の営業ではなかなか出会うことがないため、美容師側には新鮮に見えます。
特に心に残っているのは、私と音楽の趣味が共通する若いお客様です。音楽の趣味が似ているお客様自体は少なくありませんが、その方は私の好みを覚えていて、ご来店のたびに新しいアーティストを見つけて紹介してくれるのです。
国や時代、ジャンルに縛られない視野の広さや、「担当美容師が喜びそうな音楽をシェアする」という感性の豊かさはステキだなと感じました。







