「警察に言いがかりをつけられている」と。警察にとっては、実は自転車というのは、ちょっと整備不良とかがあった方が職務質問しやすいんですよ。
本人確認は非常にナーバスな問題
自転車が捜査の入り口に
典型的なのが「鍵がないですよね、この自転車」って。(そこから)「お名前何と言いますか?」「鈴木一郎です」「ちょっと自転車の登録内容を見せてください。……佐藤次郎さんという方が所有されているようですが、佐藤さんとはどんな関係なんですか?」というところから、いろんなものがボロボロ出てくるわけです。
繁華街とかで警察官に取り囲まれている人、いるじゃないですか。あれは大体、自転車の整備不良あたりから「こいつやばそうだ」と当たりをつけて、「ちょっと財布見せていただけますか」と言って、捜査の一環の入り口になっている。本人確認をどうやるかは非常にナーバスな問題なんです。
「自転車の右側を通過するとき」の
新ルールの是非
――法改正で、車は自転車の右側を通過するとき、自転車の横を(十分な間隔の目安として少なくとも1メートル程度、推奨として)1.5メートルあけて走らなきゃいけない。ヨーロッパの先例があるから、今回日本でも「自転車は車道を走れ」となりましたけど、ヨーロッパと違って日本の道は狭い。すごく危なくて、標識も怪しい。交通事故(を防ぐ必要)がある一方で、車を止めるわけにはいかないので、その辺のバランスというのはどう思われますか?
整備不良で、いまだにライトをつけないまま走っている自転車はすごく多いんですよね。あれはさすがに危ないと思っているので、(落としどころとしては)ライトを自転車にがっしり貼り付けて、ライト(をつけているかどうか)に力を入れて事故を減らすのがいいかなと思います。環境整備をしなくてはいけない。自転車専用道を作るのが一番いいに決まっているんですよ。
警察側の経済合理性で一番大きいはずなのが、もともと「反則金」って何で始まったかというと、昭和30年代・40年代に車による事件や事故が激増したからです。
全部を「罰金刑(前科)」などで対応していたら、警察と裁判所がパンクしてしまう。だから「反則金」という形で払えば罰金じゃなくていいですよ、前科に乗りませんよ、という仕組みにした。
今回の(自転車の)件も、いきなり全面的にはやらない形だと思っています。逆に、もし無理やり全部適用するとなると、裁判所と警察がすぐ行き詰まってしまうので。
警察が主導して
法律が改正されている
――今回の自転車の狙いというのは、もちろん死亡事故を減らすことだと思うんですけど、それを通して警察の仕事がやりやすくなるとか、権限が拡大しているということにつながっていく、と。
もともとこれ、警察が主導して法律が改正されているので。警察の方からすると、これで仕事がやりやすくなったと思います。
昔は警察官が人を取り囲んで、「トイレに行きたい」と言っても30分も1時間も囲んで、ちょっとでも手が触れたら「公務執行妨害」とか言っていたんですけど、今は動画を撮られるので、警察もあんまり無茶なことができなくなった。
――そういう意味では、警察の仕事がしやすくなった。
一方で、怪我(けが)をしている人がいるのは間違いないので、保険制度と整備について予算を注がないとダメですね。子どもについては、もう学校単位で保険に入るしかないんじゃないかなと思います。学校のスポーツ事故関係については、今はプールや遠足などでも(保険に)入っているはずです。







