「うちの子、語彙が少ないのでは?」「自分の意見をちゃんと言えない」……。スマホやSNSの普及により、子どもの「言葉にする力」の衰えを危惧する声が増えています。そんな中、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)等のべストセラーで知られる文章の専門家・山口拓朗氏が、待望のこども版『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)を上梓しました。同書は、マンガと「言葉を使ったゲーム」を通じて、子ども(小学校低学年~高学年)が楽しく言語化能力を身につけられる画期的な一冊です。本連載では、本書をベースに親御さん向けの記事として抜粋・編集した記事や、著者による書き下ろし記事で、「子どもの言語化力」を高める秘密を紐解いていきます。
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子どもは親の「言うこと」よりも「やっていること」を真似する
子どもの言語化力が育ちにくい家庭の特徴として「親に読書習慣がない(少ない)」ことが挙げられます。
親の読書量が少ない家庭では、子どもの「読む習慣」そのものが育ちにくくなります。
書店に行かない。家に本がほとんどない。子どもに本を与える意識が薄い。読み聞かせをすることがない。
こうした環境では、子どもが新たな言葉と出会う機会が増えていきません。
子どもは、親の「言うこと」よりも「やっていること」を真似します。
親が日常的に本を読んでいる姿を見ていれば、「読むことは当たり前」という感覚が自然と育ちます。
逆に、親がまったく本を読まない環境では、子どもにとって読書は「特別なこと」になり、習慣化しにくくなります。
言語化力は「良質なインプット×対話」で育つ
たとえば、本をよく読む家庭の子どもは、読書を通じて、日々、新しい言葉を獲得していきます。
また、本を媒介にして「この言葉は◯◯という意味だよ」「こんな世界があるんだね」「なぜ主人公はこう思ったんだろうね?」といったやり取りが生まれやすくます。
こうした会話を通じて、子どもたちは、語彙力を伸ばし、世界を知り、感情や因果関係を言葉で捉える力を養っていくのです。
さらに重要なのは、家庭内に読書習慣がないことで、言葉に価値を置く文化が育ちにくくなる点です。
親が本を読んでいないと、使う言葉や表現が限定されやすくなります。すると、家庭内の会話も単調になりがちです。「すごい」「やばい」で済ませる会話が増え、言い換えや具体化の力が育ちません。
また、読書は、言葉や知識に触れるだけでなく、論理的に考える思考や、「具体⇔抽象」の展開、伝え方の順番などを学ぶ機会でもあります。読書を通じて、自分の気持ちや考えを整理する感覚も身につきます。こうした経験が不足していると、「何を言えばいいかわからない」「わかっているのに言葉が出てこない」という状態に陥りやすくなります。
言語化力は「良質なインプット×対話」で育ちます。
親が本を読む姿を見せ、本を身近に置き、言葉を丁寧に扱い、子どもと言葉を交わす。
このプロセスは、親自身の言語化力も伸ばしていきます。親・子ども関係なく、家庭内で「本を読む→言葉を知る→思考する→使う」の循環を活性化することで、子どもの言語化力は飛躍的に伸びていきます。
*本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。






