気づけばスマホばかり見ている。動画、SNS、ゲーム、ニュース、買い物…見始めるとあっという間に数時間溶けている。「一度きりの人生なのに、スマホばかり見ていていいのか?」――そんなふうに立ち止まりたくなった人におすすめの本がある。書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)だ。本書の発売を記念して、ライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【夜中までスマホを握りしめているあなたへ】スマホを見過ぎている人がやるべき行動・ナンバー1Photo: Adobe Stock

気づけば何時間もスマホに時間を溶かしている…

寝る前に、スマホで漫画を読むのがいつからか習慣になってしまった。
最初はほんの息抜きのつもりで、1話だけ読んでいた。

でもだんだん一話では満足できなくなっていき、あと少しだけ、そう思ってページをめくる。

気づけば、布団に入ってから1時間以上経つことが多くなった。週末になると、数時間になることもある。本当は早く寝たいと思っているのにやめられない。

でも翌朝は、少し眠いくらいで、仕事に支障が出るわけでもない。アルコール依存みたいな深刻さもないから、たちが悪い。

「習慣」と「依存」の境界線

神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍するキム・ソクチェ氏は、著書『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』でこう述べている。

「最初は『自分の意思でやっている』と感じていた行動が、次第に『やらずにはいられない』強迫的な欲求と変化していくのです。」――『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』より

依存に陥っている行動ほど、「いつものことだ」と流してしまいがちだ。日常に溶け込んだ行動は、自分では気づきにくく、そもそも疑いの目を向けることすらない。

気づけば、読むものが尽きると新しい漫画を大量に買うようになっていた。さすがにおかしいと感じ始めたのはそのころだ。

「1話だけ」のつもりが深夜になる。それが当たり前になったころ、依存かもしれないと思うようになった。

やるべき行動ナンバー1:「見られない」環境をつくる

その後、スマホは寝室に持ち込まないようにした。どうしても続きが読みたいときは、リビングでストレッチポールに寝転がって読む。それだけで、だらだらと読み続けることはなくなった。

完全にやめたわけではない。でも意志でなんとかしようとするより、ルールをつくってしまう方が、少し楽だった。

本書にも、スマホ依存から抜け出すために、スマホを見えないところにしまっておく、スマホの通知をすべてオフにする、「脱スマホ時間」を決めるなどの対策が紹介されている。

「やめられない」のは意志の問題ではない

スマホに時間を溶かしている人の場合、「疲れたから少しだけ」という入り口はどれも同じだ。

スマホでもSNSでもゲームでも、ストレスと行動が結びつくと、やめようとすればするほどつらくなる。

「人がこうした『やめられない』行動を繰り返してしまうのは、意志が弱いせいではありません。その裏には「衝動」という、脳の緻密な設計が潜んでいるのです。」
――『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』より

本書に書かれているように、「やめられない」のは、意志の問題ではないのだ。

本書で示されている視点を知るだけでも、「スマホに時間を使いすぎている」と感じたとき、どう対処すればいいかが見えてくるはずだ。

(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』に関する特別投稿です)