人から認められたい。褒められたい。そのような「承認欲求」は誰もが持っているものです。でも、その感情が強すぎると、期待通りにいかないと、つらい気持ちがやってきます。書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)は、神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍する著者が、「自分の感情や欲望に振り回されずに生きる方法」を、脳科学・心理学・哲学の視点からわかりやすく解説した一冊です。本記事では本書の発売を記念して、「絶望の哲学者・ショーペンハウアーが人間の欲望についてどう捉えていたか」についての内容を一部抜粋・再編集して紹介します。
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「欲望の無限ループ」が幸せを遠ざけている
ショーペンハウアーは、苦しみの原因を「人間の飽くなき欲望のせい」だと考えました。
彼は200年も前に欲望に終わりがないことを鋭く見抜いていました。
「欲望→それが満たされる→一時的な満足→退屈→新たな欲望」という無限ループが、私たちを真の幸せから遠ざけているというのです。
「いいね!」されても、次の「いいね!」を求める
これが現代では、「SNSに投稿→たくさんの“いいね!” → 一瞬の満足→次の人気投稿を目指すプレッシャー」となり、私たちは常に「新たな刺激」を渇望するというわけです。
ショーペンハウアーがSNSをのぞいたら、「ああ情けない。まるで他人に見せびらかすための人生を生きているようだな」と嘆くに違いありません。
欲望の無限ループから抜け出す方法とは?
ショーペンハウアーはこうした欲望の無限ループから抜け出す方法として、欲望そのものを減らす「禁欲」を提案しました。
彼の言う禁欲とは、物欲に留まらず、「他人との比較」や「承認欲求までをも手放すこと」です。
これは、現代の「デジタル・ミニマリズム」を超え、「心のミニマリズム」にも通じる考え方です。
今この瞬間に味わえる「小さな幸せ」に目を向ける
私たちはこれを日常にどう活かせるでしょうか?
それは、どんなに他人の成功を見せつけられたり、将来の大きな夢を聞かされても、「他人は他人」と考え、自分は「今この瞬間に味わえる小さな幸せ」のほうに目を向けることです。
好きな音楽を聴きながらの散歩や、家族やペットとの触れ合い、おいしいコーヒーをゆっくり味わう時間なども小さな幸せです。
どうぞ今に集中してください。
(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』から一部抜粋・再編集した記事です)









