優勝馬“ワカタカ”は泥にまみれ
万感の思いを込めて実況は結ばれた

 無事にワカタカの優勝を伝えて、放送は終盤へ。「ただいま馬主がワカタカの所に参りました。騎手の函館、疲れながらも馬上豊かに乗っております。馬はあおりにあおって、馬は満面にぬかるみの泥を浴びまして、顔といわずユニフォームといわず、馬、騎手、真っ黒に汚れたワカタカ、函館騎手、ただいま記念の撮影でございます」。

 続いて3カ所目のマイクに移り表彰式の様子を実況。優勝馬ワカタカをはじめ、2着馬オオツカヤマ、3着馬アサハギの生い立ちや血統背景、勝ち時計の優秀さをひとしきり説明すると、ついに松内の実況は、万感の思いを込めた“締めくくり”に至る。

「葉桜緑濃き武蔵野の大平野、目黒競馬場にマイクロフォンを置きまして、マイクロフォンの進出によりまして、この画期的の大競走の実況を及ばずながらうつし得た光栄を、全国の数百万のラジオ聴取者各位と共にわかち得たのを喜びと致しまして、この放送を終わりたいと存じます。なお最後に、農林省並びに東京競馬倶楽部から、この放送に際しまして賜った色々の御配慮を感謝して、この放送を終わります。ではどなたも御機嫌よう、さようなら、JOAK」。