
お笑いコンビ「令和ロマン」の高比良くるまさんが、オンラインカジノ騒動で活動自粛を発表した。オンラインカジノは、どういう理屈で違法になるのか? 大阪・関西万博の跡地で2030年に開業予定のカジノIRと関連法に答えがある。詳しい専門家が解説する。(ライター 三浦健史)
オンラインカジノはグレーではなく「違法」
2月5日に吉本興業がプレスリリースを出して以降、オンラインカジノで遊んでいたお笑い芸人を警視庁が任意で事情聴取したニュースが話題だ。お笑い芸人とギャンブルの話は決して珍しくない印象で、古くは
ただ、この第一報を聞いた時に、「オンラインカジノって違法だったの?」と思った人も多いだろう。ちょっと前までネットやラジオでは、「無料で遊べる」と大々的に謳ったカジノゲームの広告がよく流れていたし、SNS上ではインフルエンサーがこぞって宣伝していた。「違法とは言い切れない」と発言する弁護士もいたくらいだ。
19日に活動自粛を発表した人気コンビ・令和ロマンの高比良くるまさんも、かつてオンラインカジノをしていたことを認め、「(違法にはならない)グレーだと思っていた」などと供述したようだ。
だが、日本ではお金を賭けるオンラインカジノは明確に違法である。賭博行為、いわゆるギャンブルは刑法185条および同186条で「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する」「常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する」などと明確に禁止されている。
「じゃん負け」はギャンブル?違法??
ここで、「例えば友達同士、じゃんけんでジュースを賭けたことくらい誰だってあるよ。あれってギャンブル?違法??」と思う人もいるかもしれない。実は、刑法185条には「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない」とも書かれている。いわゆる「じゃん負け」は、一時の娯楽扱いで罪にならない。
ちなみに、一時の娯楽には、ゲームセンターのクレーンゲームやメダルゲーム、そしてパチンコでもらえる景品なども含まれる。だから広義の意味ではギャンブルだけれど、違法ではないと整理される。もちろん、お金を賭けてもらえる商品には、景品表示法の上限額など規制はある。
それでは、なぜオンラインカジノが違法になるのか。この理由は、2025大阪・関西万博の跡地に開業予定のカジノ統合型リゾート(IR)に関する法律を理解する必要がある。詳しく解説しよう。