出荷する製品の優先順位を定め、品目に合わせて出荷ロットやリードタイムなど受注・納品の条件を考え、実現可能なスキームを構築しました。アサヒビール社は「スーパードライ」など8品目、アサヒ飲料は24品目の主力製品など、アサヒグループ食品は乳幼児ミルク、ベビーフードや「ミンティア」を優先して出荷しました。

 そのうえで卸や大手小売などお客様のご理解を得て、受注単位を最低限パレット単位とし、リードタイムは営業日ベースで受注日の3日後(N+3)以上とするなど受注・出荷要件を定めました。

 流通各社様には事業会社の営業担当者が回り、システム障害の影響の中で可能な出荷対応について丁寧に説明し、出荷ロットやリードタイムについてご理解とご協力を得ることができました。一部では、予約システムを導入しているお客様の納品指定時刻を解除していただくようなケースや、納品をお客様のメインの物流センターのみに限らせていただくなどの対応もしていただきました。

 並行して暫定的な受注・出荷システムの立ち上げを図り、事態発生の2日後には運用を開始しました。事業会社の営業部門が受注した品目・出荷数をフォーマットに手入力し、それをもとに出荷伝票や積み込み指示書を作成して各拠点にメールで転送するというシステムです。

 また、システム障害を受け、全国に約80カ所ある出荷拠点のすべてを動かすことは不可能だと判明しましたので、出荷拠点を集約することにしました。ビールは工場併設の6拠点に限り、飲料は8拠点、食品は5拠点、ワインは1拠点とし、合計20拠点を出荷拠点に定めました。製品はこれら20拠点のいずれかに集約した後、全国に配送する形態にしました。

 こうしたスキームを組み立てたうえで、10月3日届けから出荷を再開すると発表しました。その後は徐々に出荷拠点を増やしていきました。9月29日以降の初動対応はこのような流れでした。

「一瞬頭が真っ白に」絶望から3日で出荷再開、アサヒロジ社長がサイバー攻撃の極限下で見出した“打開策”アサヒロジ社内緊急対策本部会議の様子 画像提供:アサヒロジ Photo:カーゴニュース