ANA、国際貨物の売上高「5年で1.3倍」成長に向けた戦略とは?ANAグループ貨物事業はNCAの子会社化で輸送力が拡大 画像:カーゴニュース

ANAホールディングスは新たな中期経営計画(2026~28年度)において、「30年度までに国際航空貨物の事業規模1.3倍」を掲げる。主要戦略として新たにグループ傘下となった日本貨物航空(NCA)との連携を軸に、アジア~欧米間のネットワーク強化などを通じて貨物需要の確実な取り込みを推進。NCAとのシナジー効果として300億円の創出を目指す。グループの貨物事業を手がけるANA Cargoの脇谷謙一社長に、「アジアを代表するコンビネーションキャリアへと成長していく」など意気込みを聞いた。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です

中国発EC鈍化も
アジアのハイテク好調で取扱量増加

 ANAHDは2025年8月、日本郵船の子会社だったNCAの全株式を取得し、子会社化した。ANAでは自社貨物機としてボーイング767F型6機、ボーイング777F型2機を運用しているが、NCAがグループ入りしたことで同社が運用するボーイング747-8F型機8機が新たに加わり、ANAグループは世界14位の輸送重量規模を持つエアライングループへと成長した。

 25年度の国際貨物の荷動きは、上期において中国発北米向けが米国の関税政策の影響を受けてECを中心に鈍化。前年度(24年度)で荷動きが活発だった反動もあり、1Q(4月~6月)の米国向け輸出量は前年の77%にとどまり、単価も下落傾向にあった。

 一方で、アジア発北米向けは半導体などのハイテク関連を中心に堅調な推移を見せ、全体の物量をけん引した。こうした環境に合わせ、グループでは重点的なネットワークを中国発からアジア発へシフトをするなど、柔軟な対応を図ることで収益の最大化を図った。

 下期では、米中相互関税の延期に伴い、アジア発北米向け需要の底堅さに加え、中国発がEC・一般貨物ともに需要を回復。3Q(10月~12月)において臨時便やチャーター便を運航することで貨物の取り込みを進めた。米カリッタ航空とのコードシェアにより、クリスマス需要および米国での工場火災によって生じた日本発北米向け自動車用アルミコイルの緊急輸送の取り込みにも注力した。