もちろん、“自分たちの力でやるからこそ楽しい”というのも山の楽しみ方のひとつで、とても素敵だと思います。私自身、過去には30kgの120Lザックを背負って日本の山を縦走していたので、その気持ちはよく分かります。
でも同時に、ヒマラヤでシェルパたちと過ごすことも、また新しい楽しみ方のひとつ。だからこそ、ヒマラヤで“登頂できるかどうか”だけを基準に決めないでほしいのです。
まずは、自分がどれくらいできるのか知ることも大切ですし、失敗したとしても、それはすべて経験になります。もし登れなかったとしても、シェルパたちが教えてくれるし、手伝ってくれます。
だから、私の企画するヒマラヤ旅には、あえて基準を設けていません。
看護師ならではの視点で
ヒマラヤの旅をサポート
報告会や講演会をすると、「私でも登れるかもしれないと思えました」「ヒマラヤに行きたくなりました」など、意識が変わる人がとても多いです。自分で限界を決めてほしくないので、殻を破るサポートがしたい。最近は、それが少しずつできてきていると感じています。
私はヒマラヤの旅を“楽しんでもらうこと”を目的にしているので、参加する1人ひとりと個別で事前ミーティングも行います。やってみたいことも丁寧に聞きます。たとえば「シェルパの家にホームステイしてみたい」など、参加者ならではの希望があれば、できる限り叶えられるようにします。
すべてのスケジュールが最初から細かく決まっているわけではなく、参加者それぞれの旅を、私たちが一緒に“作っていく”感覚に近いです。
看護の世界には「プライマリーナーシング」という方式があります。患者1人ひとりに合わせた質の高い看護を提供するために、入院から退院まで、1人の看護師が一貫して担当するという考え方です。
私が目指しているヒマラヤ旅は、このプライマリーナーシングの発想と重なっています。参加者を個別にケアしながら、その人に合った旅をサポートするという点で、とても似ているんです。







