オープニングでも、松下洸平を含む主要キャストの3人が市井の人々とともに商店街で踊っている。
 
 しかし始まってみると、これが意外なほど硬派だった。まず、まつりと父・星野鷹臣(坂東彌十郎)の間の緊張感である。同じ家を出て同じ職場(議員会館)に向かう2人だが、父は車で、娘は地下鉄である。父に対しては常に敬語で、その命令は絶対。

 まつりは父の側近たちから「お嬢」と呼ばれているが、甘やかされているわけではなく、常にソツのない完璧な仕事を求められている。少しでも意見を言おうものなら「わきまえなさい」と、辛辣な言葉が飛ぶ。

 このピリピリしたムードが、1話の前半に流れる。議員会館内でまつりが「告発」を探るミッションが進行しつつ、まつりの性格や仕事ぶり、さらには議員とその周辺の様子もわかる展開になっており見応えがあった。

 この空気は、あかりが登場する場面でふわっと和む。張り詰めて固まっていたまつりの気持ちが徐々に溢れ出すのが後半にかけてである。

「議員秘書の女性が政治素人のスナックママを都知事選に出馬させる」というあらすじだけ見ると突飛であり、これはコメディーなのかな?と感じるが、存外真正面から「選挙と政治」を扱い、大事な局面を笑いでごまかそうとしない。

 佐野プロデューサーは本作を手掛けるにあたり、選挙ボランティアとして候補者の事務所でチラシ配りなどをし、選挙戦を現場で見たのだという。1話ではまだ選挙活動の様子は描かれないが、政治家と秘書の関係や、秘書の仕事のリアルについても、実際の取材に基づいているのかもしれない。

 今後の展開で、選挙活動の現場がどう描かれるかが楽しみだ。

 1話を終えてオープニングの踊る映像を振り返ってみると、コミカルな中にもどことなく不穏さが漂うようにも感じられる。市民たちの担ぐ人が誰なのかによってその暮らしが変わることを暗示するような、かなり意味深なオープニングでもある。