公道カートが他のクルマに衝突
運転者は「無免許」

 例えば2024年10月、都内のレンタル業者が、日本で有効な国際免許証を持たない外国人観光客2名に対し、公道カートを1台ずつ貸し出していた問題が報じられた(貸し出しは同年4月)。この観光客が所持していたのはウィーン形式の国際免許だったとみられる。

 問題が発覚したきっかけは、業者が貸し出した2台のうち1台が、路肩に駐車していた車両に接触する物損事故を起こしたことだった。現場に駆け付けた警察が運転者の免許証を確認したところ、日本では無効な国際免許であることが判明。「無免許運転」の扱いとなった。

 カート店の従業員は、事前に送付されていた免許証の画像を十分に確認していなかったという。このため警視庁麻布署は同年9月、道路交通法違反(無免許運転車両提供)の疑いで、店の責任者を「厳重処分意見付き」で書類送検した(結果は不起訴)。

 国際免許を巡るトラブル以外にも、公道カートの課題は山積している。

 一度でも乗ったことがある人はご存じの通り、カートは車高が非常に低く、地面スレスレだ。遊園地のゴーカートは限定されたコースを走るため危険性は感じにくいが、公道では事情が異なる。車高の低さに加えて車幅も狭いため、周囲の交通から認識されにくいのだ。

「公道カート」を乗り回す外国人が再び増加…無免許運転、違法車両のキケンな実態とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

 また、米国や中国をはじめ、世界の約7割の国では「車道の右側通行」が採用されている。そうした国々から来た外国人にとって、左側通行の道路は不慣れな環境といえる。にもかかわらず、信号待ちで奇声をあげながら記念写真を撮るなど、注意散漫な訪日客も存在する。

 その結果、実際に事故や苦情も多発している。新型コロナの感染法上の位置付けが「5類」に移行し、インバウンド需要が復活した2023年には、都内だけで公道カートによる事故が12件発生。100件超の苦情や110番通報が寄せられた。

 さらに2024年1~8月にかけて、公道カートが絡んだ人身事故が7件、物損事故が18件起きたと報じられた。幸いにも死亡事故は起きていないようだが、周辺を走るドライバーからすれば危険な存在であることは間違いない。

 だが、周囲の冷ややかな目線をよそに、2024年には店舗数がコロナ前の19店から40店前後にまで急増。都内では、東京タワー周辺やお台場、浅草、渋谷、秋葉原などで、公道カートの隊列を日常的に見かけるようになった。関西や沖縄など、他地域にも広がっているのは冒頭の通りだ。