太陽HDの再上場はあり得る?「ヒント」になるKKRの買収事例とは太陽ホールディングスは株主を納得させ再起を図れるか(埼玉県の本店所在地) Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 太陽ホールディングスが株式市場から退場する。米投資ファンドのKKRが3月31日、約5000億円を投じて太陽HDを買収すると発表した。10月上旬にも株式公開買付け(TOB)を開始する。電子部品のプリント基盤で使用される「ソルダーレジスト」で世界シェアトップの太陽HDは、8年前に医薬品事業に新規参入したものの、直近では多額の特別損失を計上するはめとなった。KKRの傘下のもと医薬品事業を見直す。

 太陽HDは、プリント基板や半導体の部材製造で培った精密・高度な製造経験を活かそうと17年に医薬品事業の子会社を設立。中外製薬から「長期収載品」を承継する形で事業をスタートした。さらに19年には第一三共プロファーマから高槻工場を譲り受けて医薬品の製造受託事業(CMO)にも進出した。製造販売事業と製造受託事業で医薬品をエレクトロニクス事業に次ぐ「第2の柱」と位置づけ、将来的に売上高500億円規模に成長させる戦略を描いた。

 医薬品事業への参入を決めたのは、11年に社長に就任した佐藤英志氏だった。佐藤氏は創業家の反対を押し切って参入を決定。創業家と事業方針をめぐり対立するようになったが、17年には創業家の議決権を希薄化し、太陽HDの主導権を確固たるものにした。ただ、この出来事は創業家との間に根深い確執を残し、その後、佐藤氏が追い詰められる要因となる。