◆「飛躍する組織」と「衰退する組織」の決定的な違い
【悩んだら歴史に相談せよ】『リーダーは日本史に学べ』の著者が、舞台を世界へ広げた『リーダーは世界史に学べ』。東京大学・羽田 正名誉教授の監修のもと、世界史に名を刻む35人の言葉から、現代のビジネスに必要な「決断力」「洞察力」「育成力」「人間力」「健康力」と5つの力を磨く術を解説する。
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ロシア近代化を成し遂げたピョートル1世
10歳での即位と「自由時間」の始まり
ロシア帝国の近代化を強力に推し進めたピョートル1世は、わずか10歳でツァーリ(皇帝)に即位しました。しかし、当初は母親と姉が摂政として政治を担っていたため、幼いピョートル1世が実権を握っていたわけではありませんでした。
この「政治的空白期間」は、結果としてピョートル1世にとって貴重な自由時間となりました。彼はその時間を最大限に活かし、モスクワ郊外にある「外国人村」と呼ばれる地区へ足しげく通うようになります。
外国人村での異文化体験と使命感の芽生え
外国人村は、当時ロシアに滞在していた西欧出身の商人や軍人、職人たちが暮らすエリアでした。そこには、ロシアの伝統とは異なる言語や習慣、思想があふれていました。
ピョートル1世は外国人村の子どもたちと遊び、語学を学び、さらには外国人の恋人を持つなど、異文化に深く触れる経験を重ねていきます。こうした生活を通じて芽生えたのは、内向きの保守性ではなく、外の世界へ目を向ける強い好奇心と開放性でした。
当時のロシアは、文化や軍事、経済のあらゆる面において、フランスやオランダ、イギリスといった西欧諸国に大きく後れをとっていました。いわば現代の発展途上国のような立場にあったのです。そうした現実を肌で感じる中で、ピョートル1世は次第に「ロシアを欧州に並ぶ大国へと引き上げたい」という強い使命感を抱くようになります。
途上国からの脱却。それこそが、その生涯をかけたプロジェクトの原点でした。



