逆境に直面したとき、まったく動けなくなる人と、逆境をバネにして飛躍できる人がいる。『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(ダイヤモンド社)の著者・池田貴将氏に「逆境を成功に変えられる人」の思考について伺った。(取材/ダイヤモンド社・林えり、構成・文/照宮遼子)

逆境を乗り越える人と心が折れる人の「決定的な差」とは?Photo: Adobe Stock

「ここから学べるものがある」と思えるかどうか

――逆境をバネにして飛躍できる人と、そうでない人の違いは何だと思いますか?

池田貴将(以下、池田):逆境をどう捉えているかだと思います。「ここから学べるものがある」と捉えられる人は飛躍します。反対に、「逆境だ、苦しい」と強く意識してしまうと、状況を変えるためのエネルギーが削がれ、スタミナ不足になってしまうんですよね。

人は1日に10回以上、「逆境」を経験している

――そもそも「逆境」とは、どういうものなんでしょうか。

池田:脳が「こうなるはず」と思っていたことと違うことが起きたときに、それを「逆境」として捉えているんです。実は「逆境指数」という研究があって、人は1日の中で10回以上は逆境を経験しているといわれています。

――逆境は大きな出来事ではなく、日常の中で起きているものなんですね。

池田:はい。予定が少しずれたとか、期待と違う返事が来たとか、そのくらいのことでも起きるものなんです。それに1つひとつ反応してしまうと、その積み重ねでエネルギーを消耗し続けてしまいます。

無駄な消耗を減らすためのシンプルな方法

――それだけ消耗しているとなると、エネルギーを使わない工夫も必要になってきますよね。

池田:はい。そもそも現代人は、かなり「選択疲れ」している状態です。本書にも書いていますが、人は1日の中で何百・何千回も選択をしていて、食べ物に関することだけでも1日200回以上決断しているという研究結果もあります。

――たしかに日常は、どんな服を着るかとか、どこに行くかとか、細かい選択の積み重ねですよね。

池田:そうなんです。決断のたびに意志力を使っているので、知らないうちにエネルギーを消耗してしまって、感情に流されたり、先延ばししたりしやすくなります。やろうと思っていたことができなくなるのも、意志が弱いというより、その影響が大きいんです。

――その状態を変えるには、どうすればいいんでしょうか。

池田:ルーティンを活用して、選択の回数を減らすことです。そうすると無駄に意志力を使わなくて済むので、本当に使うべきところにエネルギーを回せるようになります。

逆境を乗り越える人と心が折れる人の「決定的な差」とは?
池田貴将氏 写真:照宮遼子

「コントロールできること」に集中する

――他にも意志力を使わないように気をつけていることはありますか?

池田:自分でコントロールできることに集中する、自分でどうしようもないことに気を取られないようにしていますね。

たとえば車を運転しているとき、渋滞に巻き込まれたりして、けっこう予定の時間ギリギリになってしまうことがあるんです。

でも、そこで焦っても車が速くなるわけじゃないし、空を飛べるわけでもないので、自分はあまり気にしていません。妻からは、「なんで慌てないの」とよく言われますが(笑)。

――そうした考え方が習慣になると、ちょっとのことで焦らなくなりそうですね。

池田:コントロールできることに集中する癖がつくと、逆境だと思うこと自体が減っていきます。結果として、無駄に消耗する場面も少なくなるんです。

――「コントロールできることだけに集中する」という視点を持っているだけで、毎日の感じ方が変わってきそうですね。

池田:その感覚がつかめると大きいと思います。そうした習慣のつくり方や考え方については、『人生アップデート大全』の中でもまとめています。最近うまくいかないと感じている人にこそ、役立つヒントがあるかもしれません

逆境を乗り越える人と心が折れる人の「決定的な差」とは?池田貴将氏 写真:照宮遼子

(本稿は『人生アップデート大全』に関する特別投稿です)