このうちの1つが、質問「仕事や遊びなどで自分の可能性を試すために、できるだけ多くの経験をしたいか」である。結果を図表5-1にまとめてみた。縦軸は「A」を選択した回答者の割合だ。その上で、20代と50代、それぞれの30年間の変化が見える形でプロットした。
同書より転載 拡大画像表示
結果として、50代の値は10ポイント以上向上していることがわかる。それに対し20代は大幅に減少している。すなわち、「仕事や遊びなどで自分の可能性を試すために、できるだけ多くの経験を」と考える若者は、この30年間で大きく減ったことになる。データは2013年で止まっているが、もし今アンケートを取ったら、もう20代と50代は逆転しているかもしれない。
それに、「仕事や遊びなどで」と選択肢の文にあるように、これは「遊び」の経験も含めた問いになっている。それでいて、ご覧の通りの20代の落ち込みっぷりだ。ここから「遊び」を抜いて「仕事」だけを残したら、一体どれだけの割合が残るか。つまり、質問文を「仕事で自分の可能性を試すために」としたら……、きっとこのスコアはさらに大きく落ち込むだろう。
失敗を活かして成長するより
がんばらないのがトレンド
僕たちはよく「経験こそ宝」と言う。人生における経験は非常に貴重であり、財産になるという意味だ。この言葉の前では、成功するか失敗するかはあまり関係ない。どちらも貴重な学びを提供してくれる経験であり、仮に失敗したとしても、次に活かすことで、より成長できる。その意味では、まずは行動することが大切で、結果はそのあとに付いてくる付属品みたいなものだ。
しかし、上記のデータは、この「経験こそ宝」という概念そのものが若者たちの中で薄れてきていることを示している。実際、僕自身も「何事も経験だ」「まずはがんばってやってみよう」という声掛けが今の学生に全く通用しないことを、何度も身をもって体験している。いつから努力に負のイメージが付きまとうようになったのか。







