オフィスで集合する作業着のシニア写真はイメージです Photo:PIXTA

老後の不安といえば、まず思い浮かぶのはお金や健康ではないだろうか。だが、実際の調査データを見ると、こうした現実の状況と人々が感じている不安の“強さ”は、必ずしも一致していない。では、60代は何に、どの程度の不安を抱いているのか。就業者と非就業者の比較から、老後不安のリアルに迫る。※本稿は、パーソル総合研究所シンクタンク本部 上席主任研究員の藤井 薫『定年前後のキャリア戦略 データで読み解く60代社員のリアル』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。

働いているシニアが抱く
将来に対する不安とは?

 お金と並んで、老後の不安材料といえば、「健康」ではないでしょうか。

 就業者では60代前半・60代後半とも、「就労するにあたって配慮が必要な病気やケガ(後遺症を含む)」がない人が85%前後と、健康コンディションがよい人が大半です(図表8)。働いていない人の場合は、「病気・ケガがある人」は60代前半が30.0%、60代後半は25.3%と、就業者よりも1割以上多い状況です。健康上の理由で働いていない人が1割強存在すると思われます。

図表8同書より転載 拡大画像表示

 一方で、実際に病気やケガを抱えている人は非就業者のほうが多いにもかかわらず、健康不安を感じている人は就業者のほうがやや多いという結果が出ています。就業者の場合、実際に病気やケガがある人の3~4倍の人が健康不安を感じているのに対し、非就業者では1.5~2倍程度です。